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1988 年度 実績報告書

マラリア原虫の赤血球内寄生適応機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 61570197
研究機関大阪市立大学

研究代表者

田辺 和裄  大阪市立大学, 医学部, 助手 (40047410)

研究分担者 陰山 勝弘  大阪市立大学, 医学部, 講師 (30047047)
木俣 勲  大阪市立大学, 医学部, 助手 (20153174)
高田 季久  大阪市立大学, 医学部, 教授 (10046815)
キーワードマラリア原虫 / プラスモディウム / 赤血球 / 寄生適応 / グルコース / 遺伝子 / クローニング
研究概要

1.P.falciparumメロゾイト表面抗原の遺伝子の解析
メロゾイト表面抗原遺伝子の変異領域に特異的なDNA断片を含むブラスミドを作成し、これをプローグにして世界各地から分離された合計14の原虫株のゲノムDNAのサザンブロットに対してハイブリダイゼーションを行った。その結果、この表面抗原の遺伝子がただ2つの対立遺伝子からなり、第3の変異型をもつ遺伝子やサイレントな予備遺伝子の存在しないことが明らかになった。この知見はメロゾイト表面抗原に基礎を置くマラリアワクチンの開発にとり重要なものである。
2.マラリア原虫寄生赤血球におけるブドウ糖膜輸送の分子機構
P.yoelii寄生によるブドウ糖取り込みの上昇を2デオキシグルコースを用いて調べた。各種代謝阻害剤、及び取り込みの速度論的分析から、(1)寄生赤血球膜にブドウ糖が流入する小孔が出現する、(2)原虫形質膜では濃度勾配に反して原虫内にブドウ糖が取り込まれ、(3)その際にはプロトンの流入と共役してブドウ糖が取り込まれていること、などを認めた。
3.マラリア原虫寄生赤血球のカルシウム代謝の検討
Ca^<2+>濃度が極めて低く維持されている赤血球内で増殖するマラリア原虫のCa^<2+>代謝の調節を重要性をカルシウム括抗剤、カルシウムイオノフォア、カルモジュリン阻害剤を用いて調べた。その結果、わずかのCa^<2+>代謝の調節の乱れが原虫を死滅されることを培養系や生体内において明からにした。
4.マラリア原虫の膜電位に関する研究
既に無性期マラリア原虫が形質膜のH^+ポンプを駆動して原虫を負電位に保つことを明らかにしているが、それ以外に原虫のミトコンドリアも強い負電位を示すことを認めた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] A.Izumo;K.Tanabe;M.Kato: Comparative Biochemistry and Physilolgy. 91B. 735-739 (1988)

  • [文献書誌] K.Tanabe;S.Doi: Comparatlve Biochemistry and Physiology. 92A. 85-89

  • [文献書誌] A.Izumo;K.Tanabe;M.Kato;K.Maekawa;S.Doi;S.Takada: Parasitology. (1989)

  • [文献書誌] K.Tanabe;A.Izumo;M.Kato;A.Miki;S.Doi: Journal of Protozoology. (1989)

  • [文献書誌] K.Tanabe;K.Murakami;S.Doi: Experimental Parasitology. (1989)

  • [文献書誌] 田辺和裄: 寄生虫学雑誌. (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2014-11-25  

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