• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1986 年度 実績報告書

L型菌およびプロトプラストを組み合せた細菌の細胞融合に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61570207
研究機関大阪大学

研究代表者

高田 春比古  阪大, 歯学部, 講師 (30135743)

研究分担者 戸田 洋一郎  大阪大学, 歯学部附属病院, 医員
辻本 雅哉  大阪大学, 歯学部, 助手 (50144499)
キーワード細胞融合 / L型菌 / プロトプラスト / 復帰培地 / Staphylococcus aureus
研究概要

細菌の細胞融合には安定L型菌あるいはプロトプラストが用いられる。前者は親株の性状の一部を欠く場合が多く、後者を培養するには親株に復帰させるか、あるいはL型菌に転換させねばならない。これらの問題を回避することが細胞融合法を医学細菌学の重要な研究課題に利用するために、必要である。この問題を解決するための基礎的研究の一つとして、我々はStaphylococcus aureus MS353(pCp)株のLysostaphihプロトプラストを供試して、球菌型あるいはL型菌への転換条件を種々の復帰培地を用いて検討した。その結果、1.2%ブレインハートインフュージョンブロス、0.5Mコハク酸ナトリウム,0.01%ウシ血清アルブミン(BSA)、20mM Mg【Cl_2】および0.6%寒天よりなるR培地に接種すると、高率に集落形成がみられ、これらの集落はL型、球菌型、混合型の形態を示した。2.R培地からMg【Cl_2】を除くか、あるいはコハク酸ナトリウムをNaClに代えた培地に接種すると、出現するL型集落の球菌型集落への移行は著しく遅延した。3.BSAを除いたR培地では、集落形成の初期から周縁の不規則な球菌型の集落形態を示す部分をもったfried-egg状のL型集落が生じた。4.Mg【Cl_2】とBSAの両者を除いたR培地では、プロトプラストの集落形成率は著しく低下した。しかしコハク酸ナトリウムのかわりにNaClを用いた培地では、BSA,Mg【Cl_2】のいずれか、あるいは両者の除去は、集落形成率や出現する集落の形態に明確な影響を与えなかった。5.ペニシリンGを加え、Mg【Cl_2】を除いたR培地を用いた際、プロトプラストは高頻度でL型集落を形成した。これらの所見は、今後プロトプラストを用いて細胞融合実験を行った後に、プロトプラストを細胞壁保持型に復帰させる場合に、培養条件を決定する上に有用と考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Y.Kato: Biken J.29. 39-44 (1986)

  • [文献書誌] Y.Hirachi: Biken J.29. 45-49 (1986)

  • [文献書誌] 戸田洋一郎: 阪大歯学誌. 31. 308-320 (1986)

  • [文献書誌] 戸田洋一郎: 阪大歯学誌. 31. 321-333 (1986)

  • [文献書誌] 高田春比古: 生体防御. 3. 65-82 (1986)

  • [文献書誌] 高田春比古: 日本臨床. 44. 50-58 (1986)

URL: 

公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi