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1988 年度 実績報告書

エンドトキシンショックの予防を支配する播種性血管内凝固の発症機作の解明:マクロファージ、顆粒球由来の組織因子活性

研究課題

研究課題/領域番号 61570214
研究機関岩手医科大学

研究代表者

平田 陸正  岩手医科大学, 医学部, 講師 (20048359)

研究分担者 吉田 昌男  岩手医科大学, 医学部, 教授 (50048229)
キーワードエンドトキシンショック / 播種性血管内血液凝固 / 組織因子 / 腫瘍壊死因子 / ニホンザル / マクロファージ / 顆粒球 / 白血球動態
研究概要

最終年度は京大・霊長類研究所との共同研究により、ニホンザルを用いてマクロファージ、顆粒球からの組織因子(TF)新生と発熱などの内毒素(LPS)応答性を比較し、また、サイトカインとの関係を検討した。
(1)発熱性において、LPS(0.1μg/kg)投与で60分前後に単峰性を示す0.5℃の体温上昇がみられた。1mg/kg投与でもウサギにみられるような2峰性のパターンは得られなかったが、3〜4時間にピークを示す約1℃の体温上昇がみられた。(2)白血球動態については、0.6μgのLPS投与30分でlenkopeniaがみられ、さらにlenkocytosisが観察された。リンパ球、単球の減少と好巾球の増加が著明であった。(3)末梢血、骨髄、脾臓の単核球画分のTF活性はLPS投与により対照の10〜20倍に亢進した。また、これらの細胞はin vitroでのLPS刺激に対しても応答しTF新生がみられた。(4)0.6μgおよび1mg/kgのLPS投与後30分〜1時間をピークとするTumor necrosis factor(TNF)の産生がみられた。その後、速やかに血液から消失し、3時間後ではコントロールレベルに戻っていた。(5)インターロイキン1(ILー1)についてもEIA法により血巾濃度の測定を試みたが、いずれの時点でも検出限界の1ng/ml以下であった。(6)血液からのLPSのクリアランス能では、投与30分後の半減期は約20分であった。最近、LPS作用の主要なメディエーターとしてTNF1カケクチンが注目されている。TNFは発熱性を示し、また、ILー1遊離能ももっている。ニホンザルのLPS応答性は発熱性についてはウサギと比べ弱いものの、白血球動態やTNF産生は少量のLPSによっても惹起された。LPS投与後の初期相に、TNFが一過性に生成されたことから、TNFがLPS応答の際のPrimary mediatorとして重要な役割を担っていることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 平田陸正,下村有子,稲田捷也,吉田昌男: 血液と脈管. 19. 465 (1988)

  • [文献書誌] 平田陸正,角田伸子,稲田捷也,吉田昌男: 日本細菌学雑誌. 43. 141 (1988)

  • [文献書誌] 平田陸正,中村伸,後藤俊二,川崎一,田村弘志,田巾重則,吉田昌男: 毒素シンポジウム予稿集. 35. 125-129 (1988)

  • [文献書誌] 平田陸正: 代謝. 26. (1989)

  • [文献書誌] M.Hirata;M.Yoshida;K.Inada;T.Kirikae: International Symposium on Endotoxin. (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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