研究課題/領域番号 |
61570214
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
平田 陸正 岩手医科大学, 医学部, 講師 (20048359)
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研究分担者 |
角田 伸子 岩手医科大学, 医学部, 助手 (90128926)
吉田 昌男 岩手医科大学, 医学部, 教授 (50048229)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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キーワード | エンドトキシンショック / 播種性血管内血液凝固 / 組織因子 / 内毒素結合性 / 塩基性蛋白 / 抗菌活性 / 抗凝固活性 / マクロファージ / 腫瘍壊死因子 |
研究概要 |
本研究では(A)マクロファージや顆粒球の細胞由来の組織因子(TF)を中心とし、内毒素(LPS)によるTF活性発現の機作を解明する。(B)顆粒球由来の塩基性蛋白(CAP)の性状およびLPSとの結合性、抗菌、抗凝固の機作を明らかにする、の2つの点を目的とした。3ヶ年間に得られた成果を以下に記載する。 (A)TFについて(1)マウスによる実験で、骨髄細胞のTF活性は細胞膜に存在し、TF活性発現のためには膜の糖蛋白とリン脂質が重要である。また、フィブロネクチンはTFの活性基であるリン脂質と結合することによりTF活性発現をブロックすることが示された。(2)マウス腹腔マクロファージをin vitroでOPS刺激すると6〜8時間目をピークとするTF新生がみられた。(3)ニホンザルによる実験で、TF新生、発熱性、サイトカインとの関係を検討した。発熱性、白血球動態(leukopenia,leukocytosis)、末梢血、骨髄、脾臓への単核球および顆粒球画分のTF新生に先立って、LPS投与30分〜1時間をピークとするTNF(Tumor Necrosis factor)の産生がみられた。従って、TNFがLPS応答の際の主要なメディエータである可能性が示された。 (B)CAPについて(1)LPSとの結合性をみるため、LPS感作赤血球の凝集反応で判定する方法を開発した。また、CAPとLPSとの結合による濁度上昇もパラメータとして使用した。この凝集反応がリピドAで阻害されること、pHやイオン強度による影響をみた実験から、この凝集が、赤血球膜に結合したRe-LPSのリピドAおよびKDO部分とイオン結合、疏水結合を介して結合することを明らかにした。(2)Cはグラム陰性、陽性菌に抗菌活性を示し、されはCAPと細菌との結合能に大きく影響された。(3)CAPのもつ抗凝固活性は熱安定性があり、ヘパリンとの結合性をもちその結果活性が消失した。(4)ヘパリンセファロースによるクロマトで68K、10Kの2つの画分を得ている。
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