研究概要 |
より増殖性の高い宿主細胞の検討の為、Vero細胞を用いて風疹ウイルスの増殖性を調べたが、徒来用いているBHK細胞に比べウイルス収量が若干低かった。 前回と同様の免疫方法及び抗体のスクリーニング法で新たに得た単クローン抗体の抗E1,15クローン,抗C,2クローンについて性状を調べた。抗E1抗体は、赤血球凝集阻止(HI)活性の有無にかかわらず、ウイルスの中和能を示さなかった。既報の抗E1の3クローンとの認識抗原部位の同異については、目下解析中である。 一方被膜ポリペプチドのE1とE2の構造とその生物活性との関連を知る為に、ウイルス粒子を2メルカプトエタノール又は、低pH処理したところ、ウイルス粒子の赤血球凝集(HA)能が消失した。処理後、トリブシンによる分解を行なうと、両者の分解産物は異なり、こうした処理で生じる構造変化が両者で異なることが判った。低pH処理ウイルスは赤血球溶血能を有するので、細胞融合に関与する構造変化が非可逆的におきたものと思われる。現在の所、トリプシン処理によってE1又はE2を高純度に分離することはできなかった。
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