1.B細胞由来B細胞分化因子産生細胞CDNAライブラリーの作成.ヒトB細胞株(CESS)のB-BCD産生クローン5X【10^9】個よりmRNAを得、SSDNA作成後、0.6〜25KbのサイズのものをαsDNAとした後、EcoRI部で入gt10ファージライブラリーを作成した。cDNA量で10ngあたり20万個のプラークを産生させることができた。一方B-BCDF産生細胞培養上清、100lよりゲル濾過、クロマトファーカシング、イオン交換、逆相クロマトグラフィーを経て活性タン白を単離した。N末端ブロックのため、トリプシンによる部分分解をし4種のペプチドを得た。このペプチドに対する合成ヌクレオチド、14mer(3種)17mer(1種)を合成した。現在これらをプローブとして前述のライブラリーより候補cDNAを検索中である。なお昨年行った、pBR-322ライブラリーを使用したHybridigation-translation assayによる候補cDNAの選別は出きなかった。 2.B-BCDF分画中の免疫調節因子の存在。部分精製B-BCDF分画とBSF-2とはその活性が類似している。そのため抗BSF-2抗体を用いて中和実験を行った所、B-BCDF分画中のBCDF活性の大部分が中和され、B-BCDF分画にBSF-2が含まれていることがわかった。しかし不完全のため、他の因子の存在は否定できない。BSF-2の存在はBSF-2cDNAがCESSmRNAとHybridyeすることでも証明できた。次にB-BCDF分画はT細胞のIL-2受容体を誘導する作用があることがわかったが、BSF-2は誘導能はあるがわずかであった。そのため、他の因子の存在が示唆され、抗IL-1α抗体を用いた中和実験とCESSmRNA中のIL-1αmRNA存在とでIL-1αの存在が証明された。この両者の共同作用によりIL-2受容体の強い発現誘導が生じた。即ちB-BCDF分画中には少くともBSF-2とIL-1αが存在することがわかった。
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