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1986 年度 実績報告書

インターロイキン2遺伝子の発現制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 61570241
研究機関熊本大学

研究代表者

山本 雄正  熊本大, 医学部, 助教授 (10158313)

研究分担者 尾上 薫  熊本大学, 医学部, 教授 (60037497)
キーワードインターロイキン2 / Tリンパ球活性化 / 抗T3抗体 / カルシウム動員 / カルモジュリン / フォルボルエステル / プロテインキナーゼC
研究概要

ヒトリンパ球を種々の条件下にマイトゲンや抗T3抗体(OKT3)などで刺激し、早期の代謝変化としての細胞内カルシウムイオンの動態,プロテインキナーゼC(RK-C)の動態について測定するとともに、インターロイキン2(【IL_2】)遺伝子発現の指標である細胞内の【IL_2】mRNAレベルおよび上清中の【IL_2】活性を測定することで以下の知見を得た。1.【IL_2】2.遺伝子の発現にはカルシウムイオンの細胞内動員とカルモジュリンの活性化が必要である。2.【IL_2】遺伝子の発現にはPK-Cの活性化も必要である。PK-Cの活性化はPK-Cが細胞質画分から膜画分へ移行することでもたらされると考えられ、フォルボルエステル(TPA)がこの移行を促進することも確かめられた。3.cyclic AMPやcyclic GMP依存性のプロテインキナーゼの活性化はIL2mRNAの誘導に関与していない。むしろ、cyclic AMP上昇作用のあるプロスタグランディン【E_2】はその産生誘導を抑える。4.免疫抑制剤サイクロスポリンAはIL2mRNAの誘導を阻害する。しかし、サイクロスポリンAはカルシウムイオンの動員あるいはPK-Cの活性化を阻害しなかった。5.抗T3抗体でリンパ球をマクロファージ共存下に刺激するとIL2が産生される。マクロファージの共存しない条件ではラテックス粒子に結合した抗T3抗体及びフォルボルエステル存在下にリンパ球は活性化され、IL2を産生できた。つまりマクロファージはそのFcレセプターに抗T3抗体を結合し、T細胞のT3分子の多価的な架橋をもたらすとともに、フォルボルエステルで代替しえる可溶性因子を放出することでT細胞の活性化に関与していると推察された。以上のように研究はほぼ予定どおり進展した。しかし、マイトゲンなどで刺激したリンパ球の細胞内にIL2mRNAを誘導できるような細胞内因子が存在するのかについては、細胞融合法などを用いて実験を行ったが、現在までのところそのような因子の存在は確認できなかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Fujimoto Kouji: Microbiology and Immunology. 30. 561-572 (1986)

  • [文献書誌] Yamamoto Yusei: Journal of Biochemistry. 100. 333-340 (1986)

  • [文献書誌] Arima Naomichi: Blood. 68. 779-782 (1986)

  • [文献書誌] 山村雄一 編集,山本雄正: "免疫の研究 IL2の構造と産生制御" 同文書院, 17 (1986)

  • [文献書誌] 尾上薫,渡辺武 編,山本雄正: "免疫調節の分子的機序 ヒトインターロイキン2mRNAの誘導機構" 南山堂, 11 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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