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1987 年度 実績報告書

筋ジストロフィー症の遺伝子診断-出生前診断及び家系調査

研究課題

研究課題/領域番号 61570260
研究機関宮崎医科大学

研究代表者

深町 征二郎  宮崎医科大学, 医学部, 助手 (90117458)

研究分担者 濱田 稔  宮崎医科大学, 医学部, 教授 (90039529)
キーワードデュシェンヌ型筋ジストロフィー症 / DMD / 遺伝性筋肉疾患 / 遺伝子診断制限酵素断片長多型 / RFLP
研究概要

デュシェンヌ型筋ジストロフィー症(DMD)(IX染色体の短腕部21領域(Xp21)における遺伝子の欠損あるいは変異による遺伝性筋肉疾患である. Xp21のDNAの欠損または変異の検出, あるいは疾患遺伝子とその構造内または近傍のhaplotypeとの連鎖解析によるDMDの遺伝子診断を試みている.
8例のDMD患者および9例の健常者の白血球からDNAを抽出し, Xp21部位内の特定のprobeに対する制限酵素断片長多型(restriction fragment length polymorphismi RFLP)を調べた. 1例の患者のDNAはprobeとのhybridizationを示さなかった. この患者のDMDは少なくともprobeに対応する遺伝子座位のDNAの欠損による事が分った. 他の7例はhybridizationを示した. Xp21部位内のDNAの欠損あるいは変異については不明である. これらの7例の患者と健常者とのRFLPを比較した. DMDに特有のRFLPは存在せず, haplotypeに個人差がある事が分った.
DMD患者を有する一家系(8人)のRFLPを調べた. 患者がすでに死亡しているため患者のXp21部位のhaplotypeは不明である. この患者の姉は父親のhaplotypeと母親の片方のhaplotypeを有していた. この片方のhaplotypeは母親の兄のhaplotypeと同じで, 兄は健常者である. この患者のDMDは突然変異によるものであり, その姉はcarrierではないと考えられる. しかし万一, 母親がcarrierである場合, recombinationの可能性がある事, さらに父親および母親の体細胞のX染色体が正常であっても, 生殖細胞での変異が考えられるので, 患者の姉がcarrierでないとは断定できない.
短いDNA断片を検索する連鎖解析によるDMD遺伝子診断は100%確実ではない. 個々人, 単独の確実な遺伝子診断が要求される. Pulse field gel electrophoresisを用いた巨大DNA断片における欠損あるいは変異を解析する遺伝子診断を検討する予定にしている.

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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