研究課題/領域番号 |
61570260
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
|
研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
深町 征二郎 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (90117458)
|
研究分担者 |
竹中 均 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (10179658)
山口 忠敏 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (80037598)
濱田 稔 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (90039529)
|
研究期間 (年度) |
1986 – 1988
|
キーワード | デュシェンヌ型筋ジストロフィー症 / 遺伝性疾患 / 遺伝子診断 / サザンブロット・ハイブリッド法 |
研究概要 |
サザンブロット・ハイブリッド法(Southern blot hybridization)を応用した3つの方法によるデュシェンヌ型筋ジストロフィー症(DMD)の遺伝子診断を試みた。最初に、制限酵素断片の低分子量のDNAを分析する通常のアガロースゲル電気泳動法を用いて9例のDMD患者の遺伝子を調べた。そのうちプローブの遺伝子座に欠失のある患者を1例検出した。次に、高分子量のDNAを分析するパルスフィールドゲル電気泳動法(PFG)を用いて、他の8例の患者のDNAを調べた。これらの患者の遺伝子に欠出を検出する事はできなかった。次に1例のDMD患者を含む家系調査を行った。すなわちDNA制限酵素断片長多型で表わされる遺伝子型を調べる連鎖解析を行った。患者がすでに死亡しているためDMDと連鎖する遺伝子型は決定できなかったが、その患者の姉あるいは母親の有する2つの遺伝子型は男子の健常者と同じであったので、患者の姉と母親が保因者である可能性は低い事が示唆された。 最初の方法では、DNAプローブの遺伝子座に欠失がある場合は、診断は可能であるが、欠失を検出できる確率は高くはない。これはDNA遺伝子が巨大な遺伝子(2,000kb以上)である事とDMD遺伝子の欠失の範囲が多様である事とに起因する。PFGを用いる方法では、数少ないプローブで欠失を検出できるが、20kb以下の短い欠失は検出できない。連鎖解析による診断では、母親が確実に保因者でDMDと連鎖する遺伝子型が得られる場合、可能であるが家系のサイズが小さかったりDMDと連鎖する遺伝子型が明らかなでない場合、診断は困難である。この方法では、突然変異および染色体交叉の可能性を考慮に入れなくてはならない。DMDの発症予防には遺伝子診断は重要であるが、まだ確定診断は確立されていない。確実、迅速で簡易な診断法を研究しなければならない。確定診断と母体の安全性が確立していないので出生前診断は行わなかった。
|