研究概要 |
実験開始時に9〜10週齢のCFW系の雄マウスを用いてトリクロルエチレン(TCE)またはパークロルエチレン(PCE)の4000ppmガスにマウスの活動期に入る19.00〜20.00に1時間暴露した後の行動を自動的に記録した. それを5日間繰り返した. 暗期は19.00〜7.00である. 対照群はガス暴露をせず同じ操作の疑似暴露を実施した. 実験動物数はTCEの場合ガス群, 対照群ともに8匹, PCEの場合両群ともに7匹とした. 行動の記録は(1)巣床箱から摂食・摂水の場所に通じる通路とこの場所からでるambulationやexlcralationのための回廊の2カ書に設置した通過回数を測定する赤外線遮光回数測定装置. (2)これまでブラックボックスであった巣床箱の中のマウスの動きを感知するために巣床箱の側面に横60mm, 縦40mmの窓を開けて取り付けた単体から放射される赤外線を感知する赤外線センサー(アーデット), (3)巣床箱の外の通路・餌と水の場所・回廊部を撮影し, 記録するビデオカメラとビデオレコーダー, 以上の3種によった. 赤外線遮光回数と赤外線センサーによる測定値は10分毎に自動的にマイクロコンピュータにより実験期間中連続的に全て記録した. ビデオ記録は前値としての暴露前日(ガス群, 対照群ともに疑似暴露), ガス暴露第1日, 第3日, 第5日の暴露終了後の8時間とした(対照群はいずれも疑似暴露)巣床外の2ケ所(通路と回廊)をまとめた通過回数はTCE, PCEともに暴露後22時間全体として有意な減少傾向がみられた. 一方, TCEは暴露直後1時間に限ると行動量の有意な増加がみられた. この現象はPCEではみられなかった. 巣床箱内の動きはTCEでは暴露後4時間の有意な減少傾向, PCEでは暴露後1時間の有意な減少傾向がみられたが, 22時間をまとめるとTCE, PCEともに暴露群の減少傾向は認められるもののバラツキが大きくなり対照群との間に有意差を示さなかった. ビデオ記録の映像分析は現在進行中である.
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