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1988 年度 実績報告書

有機溶剤の生体内運命

研究課題

研究課題/領域番号 61570263
研究機関大阪市立大学

研究代表者

堀口 俊一  大阪市立大学, 医学部, 教授 (60046828)

研究分担者 寺本 敬子  大阪市立大学, 医学部, 講師 (70047356)
キーワードテトラヒドロフラン / THF / 有機溶剤 / 半減期 / ヒト / 呼気 / 肺胞気 / 血液
研究概要

テトラヒドロフラン(THF)は環状エーテルに属する有機溶剤で労働衛生安全法により第2種溶剤として分類され、塩化ビニルの溶剤、その他の重合用溶剤として使用されている。今年度は健康成人ボランティアに対し種々の濃度のTHFを人工曝露室にて吸入実験を行なった。すなわちTHF曝露中および曝露後適時に呼気、肺胞気および血液を採取し、これらの試料中のTHF濃度をガスクロマトグラフィー(GC)によって測定した。その結果、50ppm3時間曝露では、男子普通呼吸で約40%、深呼吸で約27%、200ppm3時間曝では、男子普通呼吸で約40%、深呼吸で約27%が呼気から排泄された。THF曝露濃度に対し、呼出される濃度はいずれも低く、その差は生体内に取り込まれたものと考える。また、曝露濃度とは関係なく、普通呼吸より深呼吸の方が多く取り込まれ、男子より女子の方が多く取り込まれた。THF50ppm、200ppmともに3時間曝露後の肺胞気からの減衰は式Y=A・exp(-at)で示され、半減期は約30分となり、2濃度とも減衰速度はほぼ同程度であった。THF50ppm、6時間曝露後の血液中THF濃度は、曝露後3時間まで、痕跡程度が検出された。200ppm、2時間曝露後の血液中THF濃度は、曝露終了直後より、曝露終了1時間後の方が上昇した。3時間曝露、1時間休憩、再度3時間曝露後の血液中THF濃度は個体差が大きく一定の傾向は示さなかったが、いずれの個体も曝露終了後4時間でピーク時の値より低下した。なお尿中THFの代謝物測定のための最適な液クロの条件を求めることが出来なかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Teramoto,K.;Horiguchi,S.;Kageyama,M.;Nakaseko,H.;Wakitani,F.;Adachi,M.;Yamamoto,T.: J.Science of Labour. 64. 54-57 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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