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1986 年度 実績報告書

機械油の使用過程における変性と毒性の発現-産業衛生学的見地からの検討

研究課題

研究課題/領域番号 61570274
研究機関岡山大学

研究代表者

吉良 尚平  岡山大, 医学部, 講師 (50033212)

研究分担者 早津 彦哉  岡山大学, 薬学部, 教授 (10012593)
野上 祐作  岡山理科大学, 水質管理センター, 助教授 (00172768)
キーワード水溶性切削研磨剤 / 機械油 / Blue Cotton / SepPak【C_(18)】 / 逆層分配高速液体クロマトグラフィー / 変異原性試験 / Ames法 / ニトロ基還元酵素欠損株
研究概要

材料と方法:本学内及び某部品工場の金属加工施設から提供された、水溶性切削研磨剤(機械油)11種の、未使用原液及び稀釈後使用中液を実験材料とした。これらの機械油は、貯留槽を介して循環供給され、年2〜3回全液交換が行なわれている。予め行なった変異原性スクリーニングから、使用中液に陽性を認めた4種を対象として、全液交換時を起点として30日毎に変異原性モニタリングを行なった。その際、試料をそのまゝ用いると、殺菌剤によると思われる干渉(Killing)あるいは雑菌の生育が認められ、判定困難となる。そこで、三環以上の芳香環を特異的に吸着回収するBlue Cotton及び逆層分配抽出カラムSepPaK【C_(18)】の2方法による前処理を行ない、各々の抽出分画について、Ames法による変異原性試験を適用した。用いた菌種はTA98とTA100であり、S9mixによる代謝活性化も検討した。結果と考察:経時変化に併う変異原性の検出結果は、当初陰性であった機械油のうち1種に、使用開始後60日及び90日経過した時点で、明らかな陽性を示す分画が出現した。これは、使用過程における新らたな毒性の発現を示唆するものである。ここで検出された変異原性は、Blue Cotton抽出-TA98検出系では弱い陽性を示したが、SepPaK【C_(18)】通過分画-TA100検出系ではより強い陽性が認められた。そこでこの分画を、高速液体クロマトグラフで更に分画分取し、TA100を用いた変異原性クロマトグラムとすると、変異原性の局在がより明確となった。また、この分画は、ニトロ基還元酵素欠損株TA100NRに対して、TA100と同等の作用を示したことから、ニトロ基を持たない物質に由来することが推定された。一方、前処理方法から推定される物性は、三環以上の芳香環を持たない、SepPak【C_(18)】で保持回収されない高極性物質、が主体と考えられた。今回、使用過程で検出された変異原性物質は複数存在する可能性が高く、その同定ならびに生成条件の検討と毒性面での深求は次年度以後の課題である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Shohei Kira;Hikoya Hayatsu;Yusaku Nogami;Masana Ogata: Jpn J Indust Health(産業医学). 29〔4〕. (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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