研究課題/領域番号 |
61570276
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
二塚 信 熊本大学, 医学部, 教授 (80040195)
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研究分担者 |
井本 岳秋 熊本大学医学部付属遺伝医学研究施設, 助手 (60128254)
上野 達郎 熊本大学, 医学部, 助手 (90160192)
稲岡 司 熊本大学, 医学部, 助手 (60176386)
INOMOTO Takeaki Institute for Medical Genetics, Kumamoto University Medical School
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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キーワード | 労働生理 / 林業労働 / 農村医学 / 作業姿勢 / 人間工学 / 腰痛 / エネルギー消費 / カテコールアミン |
研究概要 |
農業の機械化は近年著しいものがあり、その歩みは集約的な施設型農業の普及と軌を一にしている。また、近年の林業はあらゆる生産過程で機械化が進み、かつてのそれとは著しく様相を異にしている。これら農林業の機械化に伴う労働負担の変動に関する実証的研究は少ない。 私共は典型的な西南暖地型施設農業のひとつ、イチゴ施設栽培における最も労働集約性の高い収穫期作業の労働負担を検討した。その結果、この時期の収穫・調整・出荷の作業は長時間に及ぶが、エネルギー消費の面からみれば、各要素作業の労働負荷は高くなく、むしろ前屈中腰(収穫作業)、座位(調整作業)姿勢に伴う人間工学的問題が指摘された。特に、動的要素を伴う収穫作業よりも長時間の静的筋負担を伴う調整作業の際の座位が問題と考えられ、選果台の利用など、本作業の椅座位への転換が望ましいと考える。また、臨床的には稲作、甘橘類栽培農家に比し筋肉性(疲労性)腰痛が高頻度に認められ、床熱療法や腰痛体操の適応と考えられた。 林業労働については、主として民間林業で施行されている全面機械化の作業様式と国有林で振動障害の予防を配慮して施行されている一部斧などによる人力作業が組合された作業様式における労働負担を比較検討した。その結果エネルギー消費および安全性の点で、先山における受口切りや特に枝払における斧作業は避けるべきこと、むしろ、枝払いに際しては小型防振チェンソーの導入が検討さるべきことを強調した。併せて、民間・国有林を問わず、先山労働において作業前後の血清sarcoplasmic enzyme(ALD、CPK)や尿中カテコールアミン(特にVMA・ノルアドレナリン系)に一過性ながら有意の変動があり、林業労働の特質を解明するうえで重要な知見と考えられた。
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