• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1986 年度 実績報告書

唾液アミラーゼのヒト特異性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61570289
研究機関岐阜大学

研究代表者

岩佐 峰雄  岐大, 医学部, 助手 (00021452)

研究分担者 大谷 勲  岐阜大学, 医学部, 教授 (80021393)
キーワード唾液 / アミラーゼ / 種属特異性
研究概要

各種動物唾液および植物抽出液のアミラーゼ活性をCaraway法(Caraway1959)によって測定したところ、ヒト唾液のアミラーゼ活牲(280,000IU)に比較してニホンザル,ハムスターおよびモルモットでは1.5倍以上,ラットおよびドブネズミではヒトとほぼ同等の、マウスでは約1/2,カニクイザルおよびウサギでは1/5,ブタでは1/500,ウマでは1/850,ウシでは1/1500の活性が検出され、イヌおよびネコ唾液では検出されなかった。また、ヒト唾液の1/500以下の活性ではあるが、キャベツ,ダイコン,トマト,ピーマン,キュウリ,リンゴ,ミカン,レモンの各抽出液にもアミラーゼ活性が認められた。
ヒトおよび動物唾液をアガロース電気泳動(Hirshfeld 1959)後、アミラーゼ染色を施すと、ヒト,ラット,マウス,ドブネズミおよびハムスターでは原点からやや陽極側に、ニホンザルおよびモルモットでは原点付近に、カニクイザルおよびウサギでは原点からやや陰極側にアミラーゼ活性が認められ、ウシ,ブタ,ウマ,イヌおよびネコでは活性は検出されなかった。
ろ紙に作成した唾液斑ならびに植物抽出液斑について、従来からのアミラーゼを指標とする唾液検出法、すなわちヨウ素-デンプン反応(神田と柳 1961)ならびにブルースターチ法(Willott 1974)を実施してみると、ウシ,ブタ,ウマ,イヌ,ネコを除く唾液斑ではヨウ素-デンプン反応およびブルースターチ法の両検査法で陽性を呈した。一方、植物抽出液斑ではキュウリを除く斑痕がヨウ素-デンプン反応で陽性を呈し、ブルースターチ法では全ての植物抽出液斑が陰性であった。
以上の成績から、アミラーゼはヒト唾液のみならず動物唾液や植物抽出液にも広く分布し、アガロース電気泳動法や従来からの酵素化学的方法によってヒト唾液のみを特異的に検出することは困難であり、検査に際して充分注意を払う必要があると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Isao,OHYA: Tohoku J.exp.Med.150. 309-315 (1986)

URL: 

公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi