研究概要 |
前年度に作成した抗アミラーゼ血清を用いて、ヒト唾液および唾液斑の検査について研究した。 唾液特異的抗アミラーゼ血清(ヒト、ニホンザル、カニクイザル唾液と反応するもの)を用いて、希釈唾液および陳旧唾液斑のPBS抽出液を対向流免疫電気泳動法で検査すると、128倍希釈唾液(アミラーゼ活性は2,700IU)、3週間経過した唾液斑の抽出液で沈降線が認められた。これらのゲルプレートをアミラーゼ染色すると、1,024倍希釈唾液(330IU)、10週間経過した唾液斑の抽出液の沈降線相当部分にアミラーゼ活性が検出された。 ヒト唾液特異的抗アミラーゼ血清(ヒト唾液とは反応し、ニホンザル、カニクイザル唾液とは反応しないもの)を用いて、同様に検査すると、8倍希釈唾液(42,000IU)、1週間経過した唾液斑で沈降線が認められ、アミラーゼ染色では、64倍希釈唾液(5,300IU)、3週間経過の唾液斑の沈降線相当部分にアミラーゼ活性が検出された。 以上の成績から、ヒト唾液特異的抗アミラーゼ血清はヒト唾液とよく反応し、サルも含めた動物唾液や植物抽出液とは反応しないことから、唾液検査において極めて有用であると考えられた。
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