研究課題/領域番号 |
61570316
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
浅野 泰 自治医大, 医学部, 助教授 (00050500)
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研究分担者 |
村山 直樹 自治医科大学, 医学部, 助手 (80182137)
田部井 薫 自治医科大学, 医学部, 助手 (90155234)
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キーワード | サイロキシン脱ヨード活性 / プロピルチオウラシル / 近位曲尿細管 / 尿細管刷子縁膜 / サイトゾール / 蛋白リン酸化 / 副甲状腺ホルモン / c-AMP |
研究概要 |
(1)Euthyroid状態の白ウサギの腎皮質より、Fitzpatricらの方法により基底側膜分画Mg沈殿法により尿細管刷子縁、また通常の細胞亜分画を遠心法にて採取し、以下の知見を得た。(1)thyroxine5'-deiodinase活性は、基底側膜分画、尿細管刷子縁分画、並びにミクロゾーム分画に著明に存在した。(2)【10^(-4)】Mpropy thfouracil(PTU)存在下及び非存在下でKinetic studyを施行した結果、基底側膜分画及び尿細管刷子縁分画にhigh-km値を持つ5'-deiodinaseの存在が、又ミクロゾーム分画にはhighkm及びlowkm値を持つ5'-deiodinaseの存在が確認された。以上より基底側膜分画、尿細管刷子縁分画にはPTU-sensitive5'deiodinaseが存在し、ミクロゾーム分画にはPTU-sensitive及びPTU-insensitive5'-deiodinaseの存在が示唆された。 (2)サイロイドホルモンの細胞内蛋白リン酸化に与える影響を検討する目的で以下の基礎的検討を行った。(1)ウサギの近位曲尿細管を低濃度サポニンで処理後、2-【^(32)P】ATP存在下でinsituの状態でPTH刺激により63kd蛋白のリン酸化及び48kd蛋白の脱リン酸化を認め、同様の現象がcAMPによっても起こることを確認した。(2)さらに同条件によるリン酸化される細胞内局在を決定するため各細胞亜分画を作製しcAMP存在下でのinvitroの検討より、48kd蛋白はサイトゾール分画に、63kd蛋白は尿細管刷子縁分画に存在する蛋白である可能性が強く示唆された。(3)また、糸球体においてみられるcAMP依存性蛋白リン酸化は80kd,74kdの蛋白であることが判明し、(1)及び(2)で認められる現象は近位曲尿細管に特異的に起こる可能性が強く示唆さされた。今後の検討では、(1)さらにhyper及びhypothyroid状態によりこれらのリン酸化される蛋白がどのようにmodifyされるか、及び(2)【T_4】から【T_3】の脱ヨード活性の変化が、細胞内蛋白リン酸化へ影響を与えるか否かを明確にしてゆく。さらにこれらの生化学現象と生理的現象との関連性について追求してゆく。
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