研究課題/領域番号 |
61570327
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
金沢 正一郎 千葉大, 医学部, 助手 (70177492)
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研究分担者 |
井関 徹 千葉大学, 医学部, 医員 (10232365)
近藤 春樹 千葉大学, 医学部, 助手 (30142235)
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キーワード | 膵酵素 / トリプシン / エラスターゼ / キモトリプシン / R蛋白 / 内因子 / 内因子-コバラミン受容体 / デオキシウリジン抑制テスト |
研究概要 |
造血因子であるコバラミンの消化吸収機構を以下のごとく検索した。 1.R蛋白とコバラミン類縁体、更には内因子・コバラミン受容体との関係について検索をした。トリプシン以外にエラスターゼを用いR蛋白への変性作用をみた。エラスターゼはトリプシンよりR蛋白への変性作用は弱いが、R蛋白に結合しているコバラミンを遊離させ、内因子及び内因子・コバラミン受容体へ移動させる事を明らかとした。 2.コバラミン及び葉酸欠乏症の患者におけるデオキシウリジン(du)抑制テストを施行。従来行われていた骨髄を用いる方法以外に全血を用いるmicro duテストの臨床的有用性を明らかとした。又、micro duテストと骨髄duテストの違いについてMethotrexateを用いて調べ、その特性について明らかとした。今後コバラミン吸収との比較に応用可能であることも示唆した。 3.R蛋白の役割としてコバラミン類縁体が内因子・コバラミン受容体に直接附着するのを阻止する働きがある事を明らかとした。 更に以下の事も現在検索中である。 1.内因子-コバラミン受容体アッセイを利用し、キモトリプシンのR蛋白変性作用について検索すると、その作用がトリプシンとエラスターゼの中間である事が明らかとなりつつある。 2.duテストを悪性貧血やコバラミン欠乏症に用いると、骨髄duテストの方が、micro duテストより明らかに検出の感受性が高く、micro duテストは異常値が出難い。この機序について検索中である。 以上より、この研究ではR蛋白及び内因子-コバラミン受容体のコバラミン吸収への関与を内因子-コバラミン受容体アッセイとduテストを用いて明らかとした。
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