ラット小腸上皮細胞内小胞体膜調製法の改良を行った。小胞体膜調製時ショ糖溶液を用いていたが、小胞体膜小胞におけるブドウ糖輸送を検討する際メディウムにショ糖が存すると実験データ把握に支障となる(ショ糖は分解されるとブドウ糖を生ずる。)ため、取り込み実験時にはマニトール溶液に変更する予定であった。その煩雑さを除くためショ糖溶液の変わりに最初からマニトール溶液を用い、超高速遠心法などで精製した小胞体模の純度を検定した。その結果ショ糖溶液・マニトール溶液のいずれも高純度に小胞体膜を取り出すことができ、かつ両者間に純度における有意差は認められらなかった。また透過型電子顕微鏡を用い精製した小胞体膜分画を検討した結果、直径0.1〜0.2μmの小胞を無限に形成しているもののリボゾームが予想外に多くこれを取り除くため調製方法を改良した。 小胞体のマーカー酵素として知られているG6Paseはラット小腸粘膜においては比活性が高くなく、ラット小腸膜粘内小胞体のマーカー酵素としては不適当であり現在Acyl-CoA:monoglyceride acyltransferaseを測定中である。 マニトール溶液を用いて取り出した小胞体膜小胞への中性アミノ酸であるアラニンの取り込みを測定した。放射性物質で標識したL型・D型アラニンを用いその輸送形式を観察した結果、D型アラニンに比しL型アラニンが特異的にに小胞体膜小胞に取り込まれた。
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