研究課題/領域番号 |
61570357
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
鮫島 美子 関西医科大学, 医学部, 教授 (90077602)
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研究分担者 |
内藤 雄二 関西医科大学, 医学部, 助手 (30198014)
青井 一雄 関西医科大学, 医学部, 助手 (70148500)
沢村 隆也 関西医科大学, 医学部, 講師 (10105786)
塩崎 安子 関西医科大学, 医学部, 助教授 (70077634)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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キーワード | 腫瘍細胞 / ヘマトポルフィリン / ヘモペキシン / アルブミン / ヘモペキシンリセプタ- |
研究概要 |
1.血清ヘマトポルフィリン(Hp)結合蛋白質はヘモペキシン(Hx)とアルブミン(Alb)であり、これらの蛋白質がHpの血中内輸送のキャリアとして機能していることを明らかにした。 2.ヘム(Hm)ーHx複合体をリガンドとして検討した結果、肝臓以外の種々の組織、細胞にもHxリセプタ-(HxーR)の存在が認められた。また、HxーRはHxを特異的に認識、結合し、アシアロ糖蛋白質やトランスフェリンなど既知のリセプタ-系とは異ったものであることを生化学的に証明した。 3.Hpの癌細胞への取り込み機構には、HpーHx複合体からHxーRを介する取り込みと、HpーAlb複合体を介する二つの経路が存在することを明らかにした。 (1)ラット肝癌細胞ではHpーHx複合体はHmーHx複合体と同じ様式で細胞とin-teractし、HxのリサイクリングによりHpが細胞内に蓄積するものと考えられた。種々の培養細胞によるHpーHx及びHpーAlb複合体からのHp取り込み量の検討やHxーR定量の結果から、腫瘍細胞ではHpーHx複合体からのHp取り込みがAlbのそれより多く、Hp取り込み量はHxーR数に依存的であると推察した。 (2)ラット肝初代培養細胞は肝癌細胞と比較してより多くのHpをHpーAlb複合体から細胞内に取り込んだ。しかし、これらの細胞によるAlbからのHpの取り込み機構はHxの場合と比較して単純でなくAlb scavenger pathwayやHp結合に伴うAlbの高次立体構造の変化が細胞のHp取り込みに作用していると考えられた。 4.ヒト胎盤組織からHxーRを均一に精製した。HxーRの分子量は約8万で、抗HxーR抗体を用いた生化学的研究から白血病細胞上のHxーRも胎盤と同一分子であると考えられた。HxーRの構造やその遺伝子の発現、調節のメカニズム、生理的機能の詳細については、今後、分子生物学的手法をも応用して研究を進める予定である。
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