研究課題/領域番号 |
61570365
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
吉澤 靖之 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (20174914)
|
研究分担者 |
大塚 盛男 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (00143173)
長谷川 鎮雄 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (90009481)
|
キーワード | 肺胞マクロファージ / 抗原呈示能 / HLA-DR抗原 / 精製ツベルクリン誘導Tリンパ球増殖反応 |
研究概要 |
経気道的に入ってくる抗原が生体を感作する場合、肺局所におけるリンパ系組織と吸入抗原とが反応する必要があると考えられている。この過程で吸入抗原をリンパ球に抗原として呈示する細胞として肺胞マクロファージが推測されるが、肺胞マクロファージの抗原呈示能は一定の見解が得られていない。本年度はヒト肺胞マクロファージの抗原呈示能とその過程でのHLA-DR抗原の関与について検討した。検討対象はツベルクリン反応陽性の健常人10例である。対象症例に気管支肺胞洗浄を施行し、ヒト肺胞マクロファージを得た。反応Tリンパ球は末梢血よりFicoll-Paqueにて単核球を採取後、AET処理半赤血球とロゼットを形成させ再び比重遠心法にてTリンパ球分画を得た。その結果、1)リンパ球と肺胞マクロファージの比率が1:0.1、1:0.01の場合、精製ツベルクリン(以下PPD)誘導Tリンパ球増殖反応は促進された。しかし1:1の比率の場合は増殖反応は抑制された、2)PPD処理肺胞マクロファージは増殖反応を促進したが、加熱あるいは凍結融解にてnon-viableにすると増殖反応は起きない、3)間接蛍光抗体法による肺胞マクロファージ細胞表面のHLA-DR抗原の検討では、ほとんどの細胞が陽性であった、4)肺胞マクロファージを抗HLA-DR抗体と補体で処理するとPPD誘導Tリンパ球増殖反応は観察されず、抗HLA-DR抗体だけで処理した場合は増殖反応は低下した。以上より、肺胞マクロファージは抗原呈示能を有すること、その機能発現にはviableであることと細胞膜表面上のHLA-DR抗原が正常であることが必要であった。
|