研究課題/領域番号 |
61570367
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
奥平 博一 東大, 医学部, 助手 (30106645)
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研究分担者 |
滝沢 始 東京大学, 医学部, 助手 (80171578)
庄司 俊輔 東京大学, 医学部, 医員
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キーワード | カリニ肺炎 / 循環抗原 / 血清診断 / ウエスタンブロッティング |
研究概要 |
カリニ肺炎は、免疫不全患者に発生する肺炎としてその頻度がきわめて高く、未治療であれば呼吸不全のため死に至る重篤な日和見感染症として認識されている。カリニ肺炎はエイズ患者の合併症として最も重要であるが、現在、経気管支的肺生検以外では確実な診断が困難である。しかし重篤な呼吸不全におちいっている患者に経気管支的肺生検を施行することは技術的な問題もあり重大な危険を伴うため、非浸襲的な方法、例えば血清診断法等の開発が望まれる。本研究では感染しているカリニ原虫から循環血内に放出される物質を検出し、非観血的にカリニ肺炎を診断することを試みた。カリニ循環抗原の検出に必要な条件の一つは特異性が高く、高力価の抗カリニ抗体を得ることである。従来の方法では、ラットの肺よりカリニシストを純化し、ウサギを免疫し、抗血清を得たのち、正常ラット肺組織で吸収するという操作を行なっていた。この方法によると炎症性蛋白に対する抗体等が混在する可能性があり、特異性に関する問題が残されていた。我々はステロイド処理したラットにカリニ原虫を感染させ、ステロイド投与を中止して回復させると同時に感作を成立させ、更に純化したカリニシストで追加免疫するという方法をとったためにカリニに特異的で高力価の抗カリニ抗体を得るのに成功した。そしてカリニ感染ラット血清をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行ない、ウエスタンブロッティング法で蛋白をニトロセルロース膜に転写した後、抗カリニ過免疫抗血清を作用させた。ニトロセルロース膜上のカリニ蛋白,抗カリニ免疫複合体をペルオキシダーゼ標識抗ラット免疫グロブリンと反応させた後、基質を加え、発色させた。その結果、分子量29Kにカリニ特異的なバンドが検出されることを確認した。現在、この方法がカリニ肺炎の早期診断に利用可能か否かを検討中である。
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