研究課題/領域番号 |
61570371
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
平山 二郎 信州大学, 医学部付属病院, 助手 (90156696)
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研究分担者 |
酒井 秋男 信州大学, 医学部付属心脈管研究施設, 助教授 (70020758)
吉村 一彦 信州大学, 医学部, 助手 (70174985)
久保 恵嗣 信州大学, 医学部, 講師 (80143965)
福島 雅夫 信州大学, 医学部付属病院, 助手 (30173339)
小林 俊夫 信州大学, 医学部付属病院, 講師 (80020775)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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キーワード | 慢性肺リンパ瘻 / 覚醒時緬羊 / 肺傷害(血管透過性肺水腫) / エンドトキシン血症 / 肺微小空気塞栓 / パラコート中毒 / ARDS(adult respiratory distress syndrome) |
研究概要 |
慢性肺リンパ瘻を作製した覚醒時緬羊を用い、Escherichia coliエンドトキシン静脈内投与、肺微小空気塞栓およびパラコート静脈内投与により、肺傷害を惹起させ、各々の肺傷害の発生機序を血管作動性物質の観点から検討した。 1.エンドトキシン肺傷害:PAF(platelet activating factor)antagonist,ONO6240前処置により、PAFの関与を検討したが、エンドトキシン注入による早期の肺高血圧および後期の血管透過性亢進型肺水腫には影響を与えないことより、PAFの関与は少ないものと推定された。ロイコトリエンB_4は肺リンパ液および血漿中で二相性に増加し、ロイコトリエンの関与は推定された。細胞膜を通過するdibutyryl cyclic AMP(dbcAMP)前投与により、これら二相性の肺傷害は抑制され、cyclic AMPの関与が推定された。 2.肺微小空気塞栓肺傷害:dbcAMP前投与により、塞栓中の肺高血圧は抑制されなかったが、塞栓後の肺水腫は抑制された。このことは、肺空気塞栓による血管透過性亢進型肺水腫にcyclic AMPの関与が推定された。 3.パラコート肺傷害:パラコート肺傷害では、肺動脈圧は変化せず、肺水腫が惹起され、トロンボキサンA_2およびPGI_2の関与は少ない。 以上、これらの肺傷害は人のARDS(adult respiratory distress syndrome)のモデルと考えられているが、肺傷害の発生機序は各々の肺傷害で異なることが本研究から推定された。
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