研究課題/領域番号 |
61570379
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
永井 厚志 東京女医大, 医学部, 講師 (60101820)
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研究分担者 |
近藤 光子 東京女子医科大学, 内科1, 助手
工藤 律 東京女子医科大学, 内科1, 助手
岡沢 光芝 東京女子医科大学, 内科1, 助手
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キーワード | 気道線毛 / 線毛運動 / 低温 / ディソディウム・クリモグリケイト / 二酸化窒素曝露 / 気道過敏性 / 【NO_2】 |
研究概要 |
1.気道線毛周波数の測定法:ローズチャンバー内に培養された線毛細胞をフォトエレクトリック法を用いて線毛の周波数測定を行い、さらに高感度ビデオカメラを使用し線毛運動を落射光で捕えることが可能となった。 2.上記測定装置を用いて、温度環境の変化(40℃〜10℃)における線毛周波数を測定し、線毛周波数はsigmoid curveを描きながら、温度依存性に増加することが明らかとなった。 3.常温(37℃)では、Disodium cromoglycate(以下DSCG)は線毛運動に影響をもたらさないことが指摘されている。今回の私共の研究では、上記の透過光による線毛運動測定装置を用いて、低温で周波数の低下する線毛運動を、10〜20%濃度のDSCGは正常の線毛運動周波数に保つことが知られた。以上の結果は、Waner(1976年)の喘息患者の粘液線毛輪送をDSCGが改善すると云うTn vivoの成績を指示するものである。4.培養線毛には線毛発生時の運動周波数特性の有無を検討する必要がある。〓胎児の気管線毛細胞の発生とその運動発生を観察し、培養細胞での新生細胞の線毛運動を比較した。線毛運動は、その協調運動発生に線毛の集合性が必要条件であることが示された。 5.低濃度(0.5ppm)【NO_2】をモルモットに3ケ月曝露し、気道の形態観察と過敏性テストを施行した。ヒスタミンに対しては特に閾値の低下傾向はみられなかったが、曝露動物の約半数に中枢部気道の線毛の完全な消失がみられた。 5.現在、ローズチャンバー内温度の制御装置の開発に成功しえたので、今後、各種気道収縮薬及びその抑制薬を使用し、それらが程々の温度下において線毛運動にどの様な影響を与えるかにつき検討を行う予定である。
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