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1986 年度 実績報告書

19F-核磁気共鳴法による脳代謝研究

研究課題

研究課題/領域番号 61570383
研究機関新潟大学

研究代表者

湯浅 龍彦  新大, 脳研究所, 講師 (10115090)

キーワードNMRスペクトロスコピー / 31P / 19F / 脳虚血
研究概要

生体内に天然に存在するF-19核は、きわめて少ない。この核は非放射性であり、そのNMR感度はプロトンに次いで高い。我々の研究の目的は幾つかのF-19ラベル物質を用いて生体内における当該物質の代謝動態を明らかにし、脳代謝の研究に資することである。本年度は以下の点について検討した。
(1)脳虚血モデル動物におけるエネルギー代謝と血液脳関門の破綻に関する研究:F-19NMRスペクトロメトリーの検討に先立って脳虚血による種々の代謝障害をP-31NMRスペクトロスコピーとH-1NMR画像にて検討した。砂ネズミの両側の総頚動脈を結さつして虚血を負荷し30-40分後に再開通した。そしてこの間の脳のエネルギー状態をP-31NMRにて追跡した。またGd-DTPAを投与しつつH-1NMR画像にて血液脳関門の透過性の様子をモニターし、かつ緩和時間を計測した。得られた結果としては砂ネズミの脳血流側副路には個体差が大きいが大別3群に分かれること、そして血液脳関門の透過性の亢進は脳虚血の極めて早期から生ずることが明らかとなった。
(2)F-19NMRスペクトロメトリー:デオキシ フルオロ D グルコース,フルオロ フェニールアラニン,フルオロ トリプトファン,5-フルオロウラシル(5-FU)を入手したので、本年度はまずF-19のNMR計測に関する基礎的検討からはじめた。5-FUによる検量線の作成をまず試みた。我々は5-FU40mMからの倍数希釈系列を作成し、in vitro F-19NMRで測定した。我々の装置と測定法にしたがえば、このような系における検量線は十分実用に耐えうるものと考えられた。次に我々はラットの肝臓を対象として5-FUの代謝をin vivo F-19NMRスペクトロメトリーにて検討した。ウイスター ラットに5-FUを大腿静脈より投与した。5-FUは速やかに代謝され、F-19NMRでは低磁場側に5-FU脳ピークがそして高磁場側に代謝物であるフルオロ ベータ アラニンのピークが認められた。

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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