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1986 年度 実績報告書

パーキンソニズムにおける古典的神経伝達物質系と神経ペプチド系機構の相互関係の検討

研究課題

研究課題/領域番号 61570387
研究機関岡山大学

研究代表者

小川 紀雄  岡山大, 医学部, 助教授 (90033208)

キーワードパーキンソニズム / MPTP / 6-OHDA / ウィーバー・マウス / 線条体 / 神経ペプチド / ソマトスタチン / ムスカリン性アセチルコリン受容体
研究概要

パーキンソニズムの実験モデル(以下モデル動物と略す)として次の3種が使用しうることが明らかとなった。MPTP処置マウス脳のドパミン(DA)は注射直後には著減(-78%)するが、6週後には正常の50%まで回復する。一方、6-OHDA二重負荷ラットでは従来の黒質のみに注入する方法にくらべて線条体ばかりでなく他の脳部位でもDAが減少し、特発性パーキンソン病患者脳に類似していた。さらに、従来小脳失調症のモデルと考えられてきたウィーバー・マウス脳のDAが減少しており、ことに線条体での減少が最も著しく(-75%),大脳皮質,中隔野,海馬でも有意に減少しており、パーキンソニズムのモデルとして使用できることを発見した。なお、ノルエピネフリン値には全く変化がなく、比較的早期〜中期のパーキンソニズムのモデルとして適しているものと考えられる。
MPTP処置マウスの神経ペプチドの変化を検討中に、DA神経が障害されてからの時間によって神経ペプチド量が大きく異なることを見出した。最も大きく変化したのはソマトスタチン(SS)で、MPTP処置1週間後に著増、2週間後に正常化、6週間後には著しく減少した。これらの変化は線条体で最も著明であった。L-DOPAの投与はこれらの変化を回復させることができなかった。コレシストキニン(CCK)はMPTP処置1〜6週間で全く変化がなかったが、L-DOPA慢性投与で著しく減少した。TRHやサブスタンスPには有意な変化はみられなかった。他のモデル動物でも大きな変化がみられたのはSSであった。従来の臨床例の報告を考え併せると、パーキンソニズにおいてはSSが重要な役割を果たしているものと考えられる。なお、一部次年度の実験も行っており、DAが慢性的に減少している場合にはムスカリン性アセチルコリン受容体が線条体で減少し、L-DOPA投与によって回復することを明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Ogawa,N.,et al.: Neurosciences. 12. 59-64 (1986)

  • [文献書誌] Yamamoto,M.,et al.: J.Neurol.Sci.73. 39-44 (1986)

  • [文献書誌] 小川紀雄,他: 神経研究の進歩. 30. 591-605 (1986)

  • [文献書誌] Ogawa,N.,et al.: Eur.Neurol.26(suppl.l). 16-23 (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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