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1986 年度 実績報告書

ミトコンドリア酵素異常による神経筋疾患の診断と病因解明に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61570397
研究機関国立精神・神経センター

研究代表者

埜中 征哉  国立精神, その他, その他 (80040210)

研究分担者 菊池 愛子  国立精神, 神経センター神経研究所微細構造研究部, 研究員 (70159010)
相川 久志  国立精神, 神経センター神経研究所微細構造研究部, 室長 (30184013)
キーワードミトコンドリアミオパチー / 電子伝達系酵素欠損 / 筋生検
研究概要

ミトコンドリアミオパチーの研究を進める上での第一歩は診断法の確立である。今年度はミトコンドリアの異常が疑われる患者につき以下の方法で検索し、若干の知見を得た。〈対象・方法〉原因不明の神経筋疾患で血清や髄液中の乳酸、ピルビン酸が高値を示す約80名を対象とした、上腕二頭筋、あるいは大腿直筋より、500〜10000mgの筋を採取しBookelmanの方法でミトコンドリアを分離した。分離したミトコンドリアを使用し、ピルビン酸+リンゴ酸、こはく酸を基質として酸素消費量を測定した。またミトコンドリアのNADH-cytochrome c reductase(複合体【I】),succinate-cytochrome c reductase(複合体【II】),cytochrome c oxidase(複合体【IV】),NADH-dehydrogenase,ピルビン酸脱水素酵素複合体を測定した。全ての患者の生検筋を組織化学的にも検索した。〈結果〉(1)ミトコンドリア異常の患者45名を診断した。それは;複合体【I】欠損-12名,複合体【IV】欠損(乳児致死型2名、乳児良性型1名、脳筋型12名、部分欠損16名),ピルビン酸脱水素酵素複合体欠損-2名であった。
(2)ミトコンドリアの電子伝達系酵素活性値は一定でなく、変動する(病状が進行すると活性値も低下する)ことを見出した。
(3)ピルビン酸脱水素酵素複合体欠損ではミトコンドリアの形態異常を必ずしも伴わないことを組織化学的、電子顕微鏡的に統計処理し確認した。
(4)電子伝達系の異常(複合体【I】、【IV】欠損)の病理組織化学的研究を行ない、複合体【I】欠損ではミトコンドリアの形態異常(ragged-red fiber)を高頻度にみるが、複合体【IV】では50%程度にしかみないことを確認した。
(5)Cytochrome c oxidaseのモノクロナル抗体を使用して酵素欠損の筋を染色したが抗原性は全ての症例にあった。抗原性の低いものは重症である傾向があった。

研究成果

(5件)

すべて その他

すべて 文献書誌

  • [文献書誌] 埜中征哉: 神経内科. 24. 117-124 (1986)

  • [文献書誌] 埜中征哉: 脳と発達. 19. 110-117 (1987)

  • [文献書誌] Chung SJ;Nonaka I,et al.: Brain Dev.

  • [文献書誌] 埜中征哉,古賀靖敏,山本雅彦: 神経研究の進歩.

  • [文献書誌] Koga Y;Nonaka I,et al.: Neurology.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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