1988 年度実績報告書

モノクロナール抗体を用いたアポリポ蛋白代謝に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号	61570410
研究機関	福井医科大学
研究代表者	中井継彦福井医科大学, 医学部, 助教授 (40019609)
研究分担者	玉井利孝福井医科大学, 医学部, 助手 (50163663)
キーワード	モノクローナル抗体 / アポ蛋白 / リポ蛋白 / 動脈硬化 / 高脂血症
研究概要	〔研究目的〕アポ蛋白(apo)はリポ蛋白代謝を規定する要因と考えられている。アポ蛋白のリポ蛋白代謝における役割を一層明らかにするために、動脈硬化惹起性リポ蛋白の主要なアポ蛋白であり、リポ蛋白代謝に重要な役割を果しているapoB,apoE,apoCグループに対するモノクローナル抗体を作製する。このモノクローナル抗体を用いて、リポ蛋白と細胞との相互作用におけるアポ蛋白の役割を、特にアポ蛋白の亜分画(apoB)やイソ蛋白(apoE,apoC)の差異に重点をおいて明らかにする。さらに、これらのモノクローナル抗体を用いたアポ蛋白の測定法を確立する。〔昭和63年度の研究経過、実績の概要〕61、62年度にひき続きヒトapoBに対するpolyclonal抗体およびpan-apoB、apoB-100、apoB-48に対するモノクローナル抗体の作成を行ない、数種のapoB-100、apoB-48にともに反応する抗体を得ることができた。しかし、apoB-100、apoB-48にそれぞれ特異的に反応するモノクローナル抗体は得られなかった。ひき続き特異抗体を作成、検討する。apoC群、apoEに対するモノクローナル抗体の作成も引き続き行った。アメリカ、セントルイス、ワシントン大学のSchanfeld研究室との共同研究で得られたapoC-Iに対するモノクローナル抗体を用いてdouble antibody solid-phase immunoassayによる血漿apoC-I測定のRIAを試みた。このモノクローナル抗体によって認識されるepitopesはapoC-IのNH_2側フラグメント(アミノ酸1〜38番)内に存在し、かつ互いにそのepitopeは近接、一部は重複していた。この抗体とapoC-Iの結合はapoC-Iが脂質と結合することによる立体構造上の変化に依存していた。本法により測定した正脂血症者の血漿apoC-I濃度は25.0±11.7mg/lであった。血漿apoC-I濃度は血漿トリグリセライド濃度と有意な正の相関(r=0.833,p<0.001)を示した。今回の値は従来の報告値の約40%であった。

研究成果

(20件)

すべてその他

すべて文献書誌 (20件)

[文献書誌] 藤原隆一: 動脈硬化. 15. 1435-1438 (1987)
[文献書誌] Toshitaka Tamai: Atherosclerosis. 69. 29-37 (1988)
[文献書誌] 藤原隆一: 動脈硬化. 16. 343-347 (1988)
[文献書誌] 高井博正: 動脈硬化. 16. 73-80 (1988)
[文献書誌] 中井継彦: 内科. 61. 1138-1139 (1988)
[文献書誌] 高井博正: 日本臨床化学会年会記録. 27. 39-43 (1987)
[文献書誌] 高橋貞夫: 日本臨床化学会年会記録. 27. 113 (1987)
[文献書誌] 藤原隆一: 動脈硬化. 16. 381-384 (1988)
[文献書誌] 玉井利孝: 動脈硬化. 16. 423-428 (1988)
[文献書誌] Toshitaka,Tamai: J.Gerontology. 43. M75-79 (1988)
[文献書誌] 玉井利孝: 動脈硬化. 16. 469-472 (1988)
[文献書誌] 高橋貞夫: 日本臨床代謝学会記録. 25. 66-67 (1988)
[文献書誌] 藤原隆一: 動脈硬化. 16. 697-700 (1988)
[文献書誌] 前田肇: 動脈硬化. 16. 701-705 (1988)
[文献書誌] 金秀樹: 動脈硬化. 16. 955-962 (1988)
[文献書誌] 中井継彦: Therapeutic Research. 9. 1502-1518 (1988)
[文献書誌] 中井継彦: "Annual Review 内分泌、代謝" 中外医学社, 8-14 (1988)
[文献書誌] 中井継彦: "今日の治療指針1988" 医学書院, 529-532 (1988)
[文献書誌] 中井継彦: "糖尿病カレントビュー1988 成因・病態・診断・世界の動きは今" 医歯薬出版, 199-237 (1988)
[文献書誌] 中井継彦: "医科学大事典補遺巻6〈診断・検査法の進歩1989〉" 講談社, 130-135 (1988)

1988 年度 実績報告書

モノクロナール抗体を用いたアポリポ蛋白代謝に関する研究

研究代表者

中井 継彦 福井医科大学, 医学部, 助教授 (40019609)

研究成果

[文献書誌] 藤原隆一: 動脈硬化. 15. 1435-1438 (1987)

[文献書誌] Toshitaka Tamai: Atherosclerosis. 69. 29-37 (1988)

[文献書誌] 藤原隆一: 動脈硬化. 16. 343-347 (1988)

[文献書誌] 高井博正: 動脈硬化. 16. 73-80 (1988)

[文献書誌] 中井継彦: 内科. 61. 1138-1139 (1988)

[文献書誌] 高井博正: 日本臨床化学会年会記録. 27. 39-43 (1987)

[文献書誌] 高橋貞夫: 日本臨床化学会年会記録. 27. 113 (1987)

[文献書誌] 藤原隆一: 動脈硬化. 16. 381-384 (1988)

[文献書誌] 玉井利孝: 動脈硬化. 16. 423-428 (1988)

[文献書誌] Toshitaka,Tamai: J.Gerontology. 43. M75-79 (1988)

[文献書誌] 玉井利孝: 動脈硬化. 16. 469-472 (1988)

[文献書誌] 高橋貞夫: 日本臨床代謝学会記録. 25. 66-67 (1988)

[文献書誌] 藤原隆一: 動脈硬化. 16. 697-700 (1988)

[文献書誌] 前田肇: 動脈硬化. 16. 701-705 (1988)

[文献書誌] 金秀樹: 動脈硬化. 16. 955-962 (1988)

[文献書誌] 中井継彦: Therapeutic Research. 9. 1502-1518 (1988)

[文献書誌] 中井継彦: "Annual Review 内分泌、代謝" 中外医学社, 8-14 (1988)

[文献書誌] 中井継彦: "今日の治療指針1988" 医学書院, 529-532 (1988)

[文献書誌] 中井継彦: "糖尿病カレントビュー1988 成因・病態・診断・世界の動きは今" 医歯薬出版, 199-237 (1988)

[文献書誌] 中井継彦: "医科学大事典 補遺巻6〈診断・検査法の進歩1989〉" 講談社, 130-135 (1988)

1988 年度実績報告書

中井継彦福井医科大学, 医学部, 助教授 (40019609)

[文献書誌] 中井継彦: "医科学大事典補遺巻6〈診断・検査法の進歩1989〉" 講談社, 130-135 (1988)