研究課題/領域番号 |
61570430
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
福生 吉裕 日本医科大学, 医学部, 講師 (30150733)
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研究分担者 |
斉藤 彰 日本医科大学, 医学部, 助手
永島 幹夫 日本医科大学, 医学部, 助手 (50198321)
小林 陽二 日本医科大学, 医学部, 講師 (30153654)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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キーワード | 胸線ファクター / マクロファージ / サイトカイン / 動脈硬化 |
研究概要 |
マクロファージの泡沫科という観点より、動脈効果発症に関する胸線の持つ新たな生物学的意義を明らかにする目的でもってこの研究を始めた。まずモルモットにて胸線的出動物を作成した。胸線摘出群では血中コレステロール値の増加が見られた電顕にて胸部大動脈血管内皮の障害が認められ、大動脈内脂質を分析するとエステル型コレステロールの蓄積が認められた。また胸線摘出群の肺胞マクロファージの分化能の亢進が認められた。胸線摘出によるこれらの現象はマクロファージの活性亢進によりもたらされることが示唆された。胸線の持つ直接作用と考えられ胸線内にマクロファージの分化能の亢進、活性化を抑制する因子の存在が示唆された。第二の実験として胸線とマクロファージの脂質ネットワーク関連を明確にする目的でもって肺胞マクロファージのLPL分泌に影響を及ぼす胸線因子について実験を加えた。ConA刺激胸線上清中に肺胞マクロファージのLPL分泌を抑制する活性が認められそしてLPL分泌を抑制する胸線上清はマクロファージの偽足形成を促進し、ruffle形成をもたらした。この物質の分子量は67KDであり、等電点電気泳動では5.0と5.38に認められた。しかしこの因子は肺胞子マクロファージを活性化したが、マクロファージ内へ脂質の蓄積を増加するように作用した。マクロファージの脂質は胸線機能によっても調節を受けていることが示唆された。次にマクロファージの脂質取り込みを抑制する胸線因子の生物活性アッセイ系確立のために条件決定実験を行った。その条件は報告書に列記した。次にこの因子の泡沫形成抑制の機作について検討する予備実験として、PDGF、アホ°E分泌との関連を見るためにマクロファージのTNFによるPDGFのmRNAの発現、およびPMAによるアホ°EmRNAの発現を検討した。PMAによりマクロファージ内の脂質蓄積が増加するとアホ°EmRNAも増加した。またTNFはPDGFのA鎖B鎖とも発現させた。マクロファージの付着能は発現と相関した。今後これらの指標を基に胸線因子の作用機作を検討する予定である。
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