研究課題/領域番号 |
61570437
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
中島 康秀 産業医大, 医学部, 助教授 (20038780)
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研究分担者 |
高原 和雄 産業医科大学, 医学部, 助手 (30163306)
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キーワード | 血管平滑筋細胞 / 血管内皮細胞 / Glycosaminoglycans / Heparin / low density lipoprotein |
研究概要 |
動脈中膜平滑筋細胞(SMC)を牛大動脈、冠動脈より培養し、以下の実験系においてAssayを実施した。 1.Glycosaminoglycans(GAGs)及びHeparinのSMC増殖抑制能:2【cm^2】/wellのMicro plateにSMC 5000コ/wellとなるように播種し、5% Fetal Calf Serum添加ダルベッコMEMにて培養。0.35dayに培養液交換し、GAGs及びHeparinを種々の濃度添加した。その結果、Heparinはdose-responseに増殖の抑制を認めたが、その他のGAGsでは抑制は得られなかった。 2.law density lipoprotein(LDL)によるSMC増殖促進効果:正脂血、高脂血性LDLによる上記SMC増殖曲線の修飾を調べた。正脂血性LDLは、増殖に何ら変化を及ぼさなかったが、高脂血性LDLは、コレステロール量として44μg/mlで安定した有意の増殖促進効果をもたらした。これは、【^3H】-thymidineラベルによっても確認された。 3.高脂血性LDLによるSMC増殖促進効果に対するGAGs及びHeparinの抑制効果:上記2において認められた増殖促進は、Heparin及びSulfated GAGsによりdose responseに抑制を受けた。Hyaluronic Acidでは変化なかった。4.Heparinによる抑制機序の解析:上記1及び3におけるHeparinの作用機序の差異を調べるため、【^3H】-thymidineによるラベルを4時間ごとに行った。結果は、5% Fetal Calf Serumのみで増殖させたSMCに対する抑制は、細胞周期Goより12時間以内の添加でのみ有効であったが、5% Fetal Calf Serumに高脂血性LDLを加えて増殖促進した系では、36時間まで有効であった。 今後、内皮細胞性GAGsによるSMC抑制について、LDL刺激を加えた場合と加えない場合を比較検討していく予定である。
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