本年度は、一昨年及び昨年度に得られた研究成果をとりまとめ、発表する年度としていた。我々の研究の主たる目的であった血管平滑筋細胞と内皮細胞の相互作用については、その修飾因子として低比重リポ蛋白を用いた実験系においての成果を発表した。 第一報として「高脂血性低比重リポ蛋白による培養血管平滑筋細胞増殖とGlycosaminoglycanによる抑制」を昭和61年度動脈硬化学会冬季大会にて発表昭和63年2月号に記載した。次いで昭和62年動脈硬化学会にて「Low Density Lipoprotein刺激による牛大動脈及び冠動脈中膜平滑筋培養細胞増殖の比較検討」を発表した。内皮細動との相互作用については、昭和63年度動脈硬化学会及び第10回ヨーロッパ心臓学会において、「血管内皮細動が産生する血管平滑筋細胞増殖促進および抑制物質についての検討」を発表した。各論文について英文論文提出を準備している。 また今後も残された課題について、特に初期の目標であった重層培養モデルを用いた実験を試みていく方針である。
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