研究概要 |
昨年度に引きつづき, 東京, 大阪, 京都その他の地区のロタウィルスの分子疫学を行った. ロタウィルスの流行泳動型(LおよびS型, 亜型)の変動が続いて観察できた. また泳動型の細分類を行い, 32型に分類でき, 各細分類型の頻度を調べた. ロタウィルスの血清型の変動をみると, この1〜2年, 東京地区では4型, 1型が多いが, 大阪地区では3型がむしろ多く認められた. アデノウィルスの分子疫学的研究も制限酵素を種々用いて行った. 40,41型が多いことが再確認出来た. 過去約3000のロタウィルスの泳動型の検討のなかで, 初めてC群のロタウィルス感染の母子例を見い出した. 免疫学側面として抗ロタウィルス抗体について今回は, ウエスタン・ブロッティング法および, ベルオキシダーゼ結合二次抗体を用いて, ウイルス各成分に対する反応を調べた. VP2,VP6の内層カプシド抗体反応が強くみられたがVP_3,VP_7に対する反応も一部の検体では認められた. 来年度も分子疫学的研究を続け, ワクチンの開発, 使用にむけて進む予定である. 動物実験も続行して行っている.
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