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1988 年度 実績報告書

抗炎症剤投与後の動脈管収縮による胎生期の鬱血性心不全と心肥大の研究

研究課題

研究課題/領域番号 61570475
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

門間 和夫  東京女子医科大学, 循環器小児科, 教授 (80075233)

研究分担者 高尾 篤良  東京女子医科大学, 循環器小児科, 教授 (70075167)
キーワード動脈管 / 抗炎症剤 / 胎生期 / インドメサシン / 心不全
研究概要

〔研究の目的〕妊娠の末期の母親に非ステロイド性抗炎症例が流産防止の目的、或いは解熱・鎮痛の目的で投与される事がある。私達は既に1980年以来各種の非ステロイド性抗炎症剤が様々な程度に胎児の動脈管を収縮させる事を実験で証明して来た。この3年間の研究では、非ステロイド性抗炎症剤の代表的薬剤であるインドメサシンを用いて、胎生期の動脈管収縮の際の心不全と心肥大について、ラット用いて研究した。
〔研究の方法〕妊娠満期(21日)のラットにインドメサシン10mg/kgを胃内注入し、1、4、8、24時間後の胎仔の心臓について、帝王切開と全身急速凍結法で調べた。心不全の定量的研究には、心嚢液量と右室・左室の容積を測定し、さらに心肥大の定量には右室と左室の筋量を測定した。ラット胎仔の心臓は20mg前後であり、これらの測定を正確に行う方法は従来無かったので、私達はこの測定の方法を新たに確立する事から始めた。
〔研究の結果〕ラット胎仔の心臓の計測を正確に行う方法として、全身急速凍結法で固定した心臓を0.5mm毎に切り、その断面を実体顕微鏡でカラー写真に連続してとり、その写真から、心嚢液量、右室・左室の容積と筋量、右房と左房の容積を定量する方法を確立した。この方法で測定した容積は、重量と比重から求めた容積と良く一致し、この測定方法が正しい事が証明された。
インドメサシンによる胎生期動脈管収縮により、胎仔は4〜8時間後に明らかな心不全を生じた。この時右室と左室は拡張し、心嚢液量は増加した。24時間後にも心不全は続いていたが、右室の形態は内腔が縮小して壁が厚くなり、求心性肥大を示した。
〔結論〕非ステロイド性抗炎症例による胎生期動脈管収縮により、心不全と心肥大が生じる事を世界で初めて証明した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Momma K.;Takao A.: Pediatric Research. 25. 69-75 (1989)

  • [文献書誌] Momma,K.;Takao,A.;Ito,R.;Nishikawa,T.: Pediatric Research. 22. 573-580 (1987)

  • [文献書誌] Momma,K.;Takao,A.: Pediatric Research. 22. 567-572 (1987)

  • [文献書誌] Momma,K.;Takao,A.;Nishikawa,T.: Circulation. 76-IV. 553-553 (1987)

  • [文献書誌] Momma,K.;Takao,A.;Nishikawa,T.: Heart and Vessels. 2. 184-185 (1986)

  • [文献書誌] 門間和夫: 医学のあゆみ. 143. 397-400 (1987)

  • [文献書誌] Momma,K.: "Prostaglandins:Chapter 36" Churchill Livingstone, 15 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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