研究概要 |
1 ヒト肺胞基底膜(alviolar basement membrane, ABM)中の腎炎惹起性抗原に関する研究. ヒト肺よりABMを分離し, collagenaseにて可溶化したfractionとヒト抗糸球体基底膜(GBM)抗体との反応性をELISA法, blatting, Immunoprecipitationの三つの方法で観察した. 6人の抗GBM型腎先患者から得た血清(そのうちの3人は肺出血を合併していた)とABMはELISA, blattingでともに良く反応した. 二次元電気泳動の強い成績からABM中の腎炎惹起性抗原は分子量22-28kD, 40-48kDの強い陽性荷電を持つ蛋白と考えられた. Inhibition ELISAのdataは, 抗GBM抗体が, GBMとABMとの同一epitopeを認識していることを示していた. 10人の正常と考えられるヒトから得たABMのSDS-電気泳動では, 20-28kDの付近の蛋白のheterogenが明らかになった. また, Immunoprecipitation法にて, 肺出血を合併した患者からえた抗GBM抗体はABMと先のblatting法の場合と同様に反応はみられなかった. これらの成績は, 論文としてClinical and Experimental Immunologyに投稿中である. 2ヒト尿細管基底膜中の腎炎惹起性抗原の分離精製に関する研究. RCA-レクチン・アフィンティカラムにて この抗原物質の部分的な純化に成功した. この成績は 第7回International Congress of Pediatric Nephrologyのシンポジュウムで発表し, Recent dvanies in Pediatric Nephrologyに掲載された. 3腎底膜糖鎮と抗基底膜抗体との結合性について. この研究は前年度に終了し, 論文として American Journal of Pathslogyに投稿中であったが, 1987年3月号に掲載された.
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