研究概要 |
1.ヒト肺胞基底膜中の腎炎惹起性抗原の分析に関して。 この研究の内容は、 "Identification of Goodpasture antigens in human alveolar basement membrane"と題して、Clinical and Experimental Immunology,74:419-426,1988に論文発表した。その要旨は、(i)ヒト肺胞基底膜中のGoodpasture抗原に多様性ががあること、(ii)肺出血のある患者とない患者で、その流血中の抗糸球体基底膜抗体の肺胞基底膜に対するaffinityに違いのあること、(iii)(i)と(ii)がGoodpasture症候群患者の肺出血をひきおこすメカニズムと関連していると考えられること、の以上である。 2.ヒト尿細管基底膜中の腎炎惹起性抗原の分離・精製に関して。 この抗原物質-分子量54,000のgalactoseを有する糖蛋白を、ゲル#過、イオン交換カラム、レクチン・アフィニティカラム、逆相カラムを順に用いることによって分離・精製することができた。アミノ酸分析についても実施済みである。この内容は "Isolation of a target antigen in human anti-tubular basement membrane antibody mediated nephritis"として現在論文にとりまとめ中である。
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