研究課題/領域番号 |
61570495
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
堀越 貴志 札幌医大, 医学部, 助手 (40145587)
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研究分担者 |
本間 光一 札幌医科大学, 皮膚科学講座, 助手 (40165618)
神保 孝一 札幌医科大学, 皮膚科学講座, 助教授 (30094238)
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キーワード | 培養 / 培養ヒトメラノサイト(色素細胞) / TPA / コレラトキシン / C-キナーゼ / e-キナーゼインヒビター(H7) / チロシナーゼ |
研究概要 |
1.凍結保存中であった色素細胞株の蘇生率が低く、又新たに継代培養中の色素細胞の増殖速度が遅いことから、実験に必要な細胞数を得ることが、困難であった。昭和61年度に予定した事項を、62年度も継続して研究する。現時点で解った事項を以下にのべる。 (1)色素細胞の蛋白は、主として酸性蛋白からなり、TPA添加により、分子量3万,8万の2つの蛋白に新たなリン酸化が起きることがわかった。 (2)培養色素細胞は、TPA存在下で、ユーメラニン型の成熟メラノソームを活発に産生(電顕下に確認)し、培養液中に分泌するのを認めた。 (3)チロジナーゼ活性測定の諸条件を検討した。チロジナーゼ測定には、DOPAがCofactorとして必要であり、チロシンの見掛上のKm値は、20μMDOPA存在下で、約240μMであった。DOPAは、チロシンの競合阻害を示す。 2.成人皮膚から分離培養した色素細胞は、新生児の細胞に比し、TPA存在下でも分裂増殖しない。新生児由来の色素細胞は、主として2本の樹状突起を有するのに対し、成人のそれは、多数の突起を有するのが特徴である。 3.現在、胎児の皮膚(胎生6ヵ月以降)を材料として、色素細胞の培養を試みている。表皮細胞層が未成熟であるため、従来のトリプシン法では、分離培養は困難であった。種々の方法を試みている(ディスパーゼ法等)。 4.培養色素細胞の性状を解明する1つとして、共同実験を行なった。培養ヒト正常色素細胞が、組織プラスミノーゲンアクチベーターを産生することが解明された。
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