研究概要 |
ヒト表皮細胞(SV40transformed keratinocyte)を培養し、confluentとなった状態で【^3H】プロリンをとりこませ、培地画分、細胞画分より合成タンパクを回収した。各画分を加水分解後、【^3H】hydroxyproline,【^3H】proline量をHPLCで測定した。その結果、細胞画分に比し培地画分に多くのコラーゲンが分泌されていることが判明した。合成タンパクを細菌コラゲナーゼ消化後SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動にて分析するとcollagenousなタンパクは190kdでペプチン消化により、主に140kd,10kd,8kdのタンパクとなった。以上の結果より【I】型,【III】型,【V】型のコラーゲンは否定され、【IV】型コラーゲンの可能性が考えられた。さらに抗ヒト【IV】型コラーゲン抗体でimmunoprecipitationさせると190kdのタンパクのみが沈降した。以上の結果より、ヒト表皮細胞は【IV】型コラーゲンを活発に合成していることが判明した。またヒト表皮細胞よりmRNAを抽出し、ヒト【IV】型コラーゲンcDNAとハイブリダイズさせると、少くとも2種類の分子量のRNAが認められた。今後cDNAを用いて分子レベルで【IV】型コラーゲンの合成機構を解明していく予定である。
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