研究分担者 |
稲垣 安紀 川崎医科大学, 皮膚科学教室, 講師 (30184716)
武井 洋二 川崎医科大学, 皮膚科学教室, 講師 (00140517)
中川 昌次郎 川崎医科大学, 皮膚科学教室, 助教授 (90033307)
INAGAKI Yasumori Lec.Dept. of Derm.,Kawasaki Medical School
TAKEI Yoji Lec.Dept. of Derm.,Kawasaki Medical School
|
研究概要 |
Systemic lupus erythematasus(SLE)や, 他の膠原病類縁疾患患者血清中に存在する抗SS-AIRO抗体および抗SS-B/La抗体の対応抗原を動物臓器および培養細胞より分離した. 動物臓器としてヒトおよびブタ脾臓を, また培養細胞としてKB細胞を用いた. 抽出は基本的にはClark(1969), Herrera-Esparza(1986)らの方法に準じて行った. それぞれの抽出粗抗原は硫安塩析法, イオン交換カラムクロマトグラフィーにより部分精製しSDSポリアクリルアミド電気泳動後, イムノブロット法によりSS-A/RoおよびSS-B/La抗原性を有するポリペプチドを同定した. その結果, SS-A/Ro抗原は主に58Kdのポリペプチドであり, 64Kdのポリペプチドにも反応する抗SS-A/Ro抗体が存在することがわかった. また, SS-B/La抗原を主に40Kdと42Kdのポリペプチドであった. 動物臓器は, いつも同じ状態で入手できるとは限らないため培養株細胞からの抗原抽出を行った. 単層培養しているKB細胞中の抗原の存在を間接螢光抗体法を用いて確認し, 細胞質画分を低浸透圧バッファーにより, また核質画分を界面活性剤を用いたホモジナイズ法により得た. それらの抗原を前述の方法により部分精製し, 同様にイムノブロット法を用い解析したところSS-A/Ro抗原は細胞質に多く, SS-B/La抗原は核内に多く含まれていることがわかった. KB細胞中のSS-A/RoとSS-B/La抗原性を有するポリペプチドの分子量は動物臓器より得た抗原とほぼ同一であった. また, 本法を臨床例に応用してみたところ, SLEやその他の自己免疫疾患におけるSS-A/RoおよびSS-B/La抗体の出現頻度は既報告より明らかに高率であることが確認された.
|