研究分担者 |
金生 由紀子 東京大学, 医学部・付属病院・精神神経科, 医員
横田 圭司 東京大学, 医学部・付属病院・精神神経科, 医員
福田 正人 東京大学, 医学部・付属病院・精神神経科, 医員
太田 昌孝 東京大学, 医学部・付属病院・精神神経科, 講師 (00010281)
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研究概要 |
本研究は2年間の見込で計画された追跡研究である。本年度は当科の小児部デイケアで治療教育を受けた全症例についてアンケート調査をするために必要な資料の同定作業が中心となった。それらの資料とは、対象児の氏名,カルテ番号,診断名,デイケアでの治療期間,デイケア終了後の当科通院状況,現住所などである。その結果、1967年デイケア発足以来86年3月までの間にデイケアで治療教育をうけた全症例は201例(男子146例、女子55例)、このうち自閉症は103例であり、全例のおよそ5分の1が現在も当科に通院中であった。もっとも困難であったのは現住所の確認である。現住所確認を目的として第1回の予備的調査が行なわれた。それによって136例(約70%弱)の現住所が確認された。住所が判明しなかった症例については引き続き確認作業が行なわれている。一方、郵送または手渡し(現在も通院中の症例に対して)するアンケートは基本事項についてはすでに作成されている。当初の計画では61年度がアンケートの作成・配付および回収であり、62年度はデータ解析としたのであるが、61年度の到達目標を予定よりも遅い段階へ引き戻すことにした。それは、この調査によってあらたな治療への種々のニーズが掘り起こされた場合に治療側としてそれに対応できるだけの体制を用意しておくことが重要であると考えられたからである。大量の調査対象に対してつねに治療配慮が十分払われなければならないため、そういった判断を行なった。この方がおそらくは、結果的にはアンケートへより大きな協力が得られると思われる。今後の具体的方針としては6〜7月には配付を完了し、秋からは回収された資料の解析に入る。今秋の学会において中間報告を行なう予定である。
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