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1986 年度 実績報告書

精神分裂病の薬物療法における薬物特性

研究課題

研究課題/領域番号 61570525
研究機関岡山大学

研究代表者

大月 三郎  岡山大, 医学部, 教授 (80033041)

研究分担者 藤原 豊  岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (50173498)
原田 俊樹  岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (30181019)
キーワード精神分裂病 / 薬物維持療法 / ラジオレセプターアッセイ / 血漿抗モノアミン力価 / BPRS
研究概要

今回われわれは外来で長期間、同一処方で薬物維持療法が行われている精神分裂病患者を対象に、患者の血漿抗モノアミン力価をラジオレセプターアッセイ法を用いて測定し、さらに服用薬物の内容や量、現在の諸症状(BPRSの総点および各症状群点)やこれまでの臨床経過をあわせて検討したので報告する。
1.対象患者の背景因子:総数42名で男23名、女19名。年齢は平均40.5±11.1(19-66)歳、羅病期間は平均145.1±95.6(9-396)ヵ月で、同一処方が平均25.8±21.2(3-78)ヵ月固定されていた。
2.服用薬物の分析:薬物の種類ではハロペリドール(HPD)の使用頻度が最も多く、24名であり、また抗精神病薬の単剤使用例が34名と殆どを占めていた。服用量はHPD換算量にして平均3.1±2.3(1-10.2)mg/日とごく少量であった。また服用量は羅病期間の平均値で2群間に分けると、より長い群で有意に多かった。
3.血漿抗モノアミン力価の分折:抗ドーパミン(DA)力価はHPD等量(HPD-E)で算出し、平均20.4±25.4(0.15-129)HPD-Eng/mlで、HPD換算量およびうつ症状(D点)、陰性症状(NG点)、緊張病症状(C点)と有意な相関がみられたが、BPRS総点(T点)、陽性症状(P点)、神経症症状(NR点)との相関はみられなかった。しかしHPD単剤使用群(17名)ではT点、P点にも相関を認めた。抗ノルアドレナリン(NA)カ価、抗セロトニン(5HT)カ価はクロールプロマジン(CPZ)等量(CPZ-E)で算出し、このカ価を検出できた20名について分析すると、それぞれ平均62.4±62.9(10.5-234.3)CPZ-Eng/ml、83.8±83.1(8.8-391.4)CPZ-Eng/mlであった。臨床症状との関係をみると、抗NAカ価ではNR点、NG点で相関がみられ、抗5HTカ価ではNR点,D点,NG点,C点で相関がみられた。
今後は急性期薬物治療を中心に主として抗精神病薬の治療効果と血漿抗モノアミン力価との関連について検討を行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 大月三郎: 医学と薬学. 16. 639-644 (1986)

  • [文献書誌] 大月三郎: "精神分裂病の臨床" 新興医学出版社, 150 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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