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1986 年度 実績報告書

難治性てんかんモデル脳における遺伝子のクローニング

研究課題

研究課題/領域番号 61570528
研究機関大阪市立大学

研究代表者

川北 幸男  阪市大, 医学部, 教授 (80046820)

研究分担者 千頭 孝史  大阪市立大学, 医学部, 助手 (80163723)
大野 京介  大阪市立大学, 医学部, 助手 (90145780)
キーワードcDNA probe / hybridization / Elマウス脳 / poly(A)mRNA
研究概要

発作間歇期のElマウス脳ポリゾームよりRNAを抽出し、蔗糖密度勾配によって18sRNA画分を分離した。このRNA画分をoligo(dT)cellulose colirmnにかけ、poly(A)mRNAを調整した。poly(A)mRNAをprimerとして、〔【^3H】〕-dCTPを加え、AMVreverse transcriptaseを含む逆転写酵素の系に加え、一本鎖cDNAを合成した。得られたcDNAの大きさは、350から400nucleotidesで、アルカリ蔗糖密度勾配で58Sの沈降係数を示した。cDNAとpoly(A)mRNAとのhybridizationでは、【S_1】nuclease/DEAE filter disc法によって測定した。mRNAとcDNA probeとのhybridization curveから得られたsaturation hybridizationの値は、El(+)群で98%、生後1度も発作を起さなかったEl(O)群で97%とほぼ類似していたが、ddYでは80%で、ElとddYとの間で有意差があった。詳細にpoly(A)mRNA・cDNAのhybrid-ization kineticsを検討すると、El(+)マウスでは複雑性の低い塩基配列が多く存在するabundant classは24%,中等度に複雑性を持つintermediate classは50%,複雑性の低い配列が多いrare classは26%のhybridizationがみられた。これらRNAclassのcomplexityはそれぞれ1.49×【10^5】,4.64×【10^6】と1.87×【10^7】nucleotideであった。他方、daYマウスのpoly(A)mRNAとElマウスのcDNA probeとのcross hybridizationでは、abundant classで18%,intermediate classで43%,rare classで39%であった。これらRNA classのcomplexityはそれぞれ5.50×【10^4】,1.8×【10^6】,1.28×【10^7】nucleotideであった。この結果から、最も顕著な差異は、abundant classに見られ、El(+)マウスでこのclassのmRNAが少ないことを示唆している。daYマウス脳のabundant classのmRNAで特異的に合成される蛋白質をElマウスでは遺伝的に欠如していることが、シナップス形成や膜表面のプログラムに影響し、Elマウスの発作感受性に相関するものと推測される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 川北幸男,他: Exptl.Neurol.83. 98-107 (1984)

  • [文献書誌] 川北幸男,他: Folia Psychiat.Neurol.Jpn.39. 433-434 (1985)

  • [文献書誌] 川北幸男,他: 神経化学. 24. 538-540 (1985)

  • [文献書誌] 川北幸男,他: Jpn.J.Psychiat.Neurol.40. 357-361 (1986)

  • [文献書誌] 川北幸男,他: Exptl.Neurol.95. 167-177 (1987)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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