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1986 年度 実績報告書

甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体抗体の新しい検出法とその臨床応用の研究

研究課題

研究課題/領域番号 61570542
研究機関東京大学

研究代表者

内村 英正  東大, 医学部, 助手 (00111500)

研究分担者 三橋 知明  東京大学, 医学部・附属病院第三内科, 医員
佐々木 憲夫  東京大学, 医学部・附属病院第三内科, 助手 (40143432)
キーワードバセドウ病 / 甲状腺刺激IgG / 可溶化アデニル酸シクラーゼ / サイログロブリン / 培養甲状腺細胞 / 甲状腺成長促進因子
研究概要

1.我々が開発した血中の甲状腺刺激IgG(TSI)の測定法(論文1,3)(豚甲状腺細胞を用いcAMPの増加を指標)を用いバセドウ病患者の内科的治療によるTSIの変化を検討した。2年後に約70%の患者で陰性化し。陽性の患者は再発を繰り返していることが明らかとなり、本法が臨床上有用であることが確認された。
2.豚甲状腺可溶化TSH受容体,アデニル酸シクラーゼ(Ac)蛋白を用いたTSI検出法を検討し、(1)バセドウ病患者IgGは可溶化蛋白のAcを刺激する(2)本蛋白は-70゜Cで長期間保存した後も被刺激性は保持される(3)凍結乾燥した場合でも同様に被刺激性を有す等を確認した。以上より簡便で再現性のある検出感度の高い新しいTSI測定法の開発の可能性が示唆された(論文2)。
3.人甲状腺の単層培養細胞を用い培養液中のサイログロブリンの放出を指標とするTSIの検出法を検討した(論文4)。(1)本法による人甲状腺刺激IgGはこれまで報告されているTSIとは異なるIgGの部分を検出しており、又いわゆるTBIIとは全く異質のものであることが明らかとなった(2)本法によるバセドウ病患者血中IgGの刺激活性の検出感度は臨床検討から充分にその有用性が示され、従来の種々の指標とは異なる新しい指標として有用であることが確認された。
4.我々は人,豚,ラット等の甲状腺細胞の培養を行ってきたが最近甲状腺細胞が自からの細胞の成長(DNA合成)を促がす物質を放出している事実を見出した。この物質はFRTL-5細胞(ラット甲状腺細胞)のDNA合成を促進しないことからepidermal growth Factor(EGF)とは異なっており、甲状腺細胞に特異的な成長因子である可能性が示唆され、現在その純化及び性質の分析を進めている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Hidemasa Uchimura: J.Endocrinol.Invest.9. 37-42 (1986)

  • [文献書誌] 井上賢一: 日本内分泌学会雑誌. 62. 999 (1986)

  • [文献書誌] Yoh Fukue: Endocrinol Japon.33. 293-302 (1986)

  • [文献書誌] Yoh Fukue: Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism. 64. 261-265 (1987)

  • [文献書誌] Tomoaki Mitsuhashi: The Journal of Biological Chemistry. 1-7 (1987)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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