研究概要 |
インスリン遺伝子5′側多様性については, 同部位の分布には民族差があり単独では糖尿病の遺伝マーカーとはなり得ないと考えられた. しかしこれらの多様性はDNAマーカーとして, 原因不明の遺伝疾患の疾患遺伝子座同定に大きく寄与しており, ハンチントン病などの成功例が報告されている. 又単に疾病との相関のみでは, 大きな関連はなくとも, mRNAレベルでの検討には未だ余地を残しており, 今後の検討と考えられる. HLA遺伝子については, 血清学的タイピングを基にした検討が重要である. I型糖尿病を検討したところ, DR4のサブタイプのうちDR4.1との関連が強いことがわかった. 同じ血清学的タイピングで, 糖尿病者と正常者とのバンドパターンの差を検討してきたが, さらにDR4.1の検討を加えてゆきたい. また現在末梢血リンパ球サブセットの検討も加えており, I型糖尿病の遺伝マーカー, 免疫モニタリングについて検討してゆきたいと考えている.
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