研究課題/領域番号 |
61570566
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
高野 加寿恵 東京女医大, 医学部, 助教授 (50096608)
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研究分担者 |
助川 泉 東京女子医科大, 学・内科, 助手 (00171736)
浅川 久美子 東京女子医科大, 学・内科, 助手 (80151017)
肥塚 直美 東京女子医科大, 学・内科, 講師 (80147397)
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キーワード | ヒト成長ホルモン / ソマトメディン / 構造異常 / 受容体 / 正常低身長者 |
研究概要 |
1)GH分泌刺激試験にて正常に反応した低身長者101例について、GHの作用を仲介するSM-Cの血中濃度を測定したところ、31例で血中SM-Cは低値を示した。そこでこの31例についてGHの構造異常が存在するか否かGHのレセプター活性,生物活性を検討した。4例でレセプター活性の低下を認め、この内2例で生物活性の低下を認めた。レセプター活性の低下した3例についてSDS PAGEで検討を行ったが、従来の22KのhGHの部位とは異なる大きな分子量の部位にimmunoreactive hGHを認めた。現在、等電点電気泳動にて検討中である。 2)血中GH及びSM-Cが高値で低身長を呈したType Aの糖尿病患者の姉妹2症例についてSM受容体の異常が考えられたため、SM受容体について検討した。赤血球のSM受容体は2症例とも受容体数の低下を認め、この受容体数の低下が低身長の一因と考えられた。しかし、これら症例の線維芽細胞を培養し体液性の因子を除いた状態ではSM受容体の低下は認められなかった。これらの2つの成績は体内に於いて存在する高インスリン血症がSM受容体を減少させている事を示すものであった。 3)以上、hGH構造異常については、少数例ではあるが、これを疑わせる症例を認めた。現在、等電点電気泳動で検討を試みている。又、引続き多くの低身長者の中からhGH構造異常を疑わせる症例について検討を行っている。SM受容体の異常についても2症例ではあるがSM受容体の減少した低身長者を認め、これらの症例では一緒に存在する高インスリン血症がSM受容体を減少させた事が考えられた。SM受容体の減少をprimaryの原因とする低身長者はこの1年間の研究では見当らなかった。今後、更に検討する予定である。
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