本研究では、まず初年度にマウス骨随細胞の液体培養によるアセチルコリンエネテラ-ゼ(AUE)総活性誘導を指雑としたトロンボポエチン(Tpo)活性測定法を開発し、再生不良性貧血(再不合)尿よりのTpo精製を試みた。しかし再不合尿抽出物にはエリスロポエチン(Epo)が多量に混在している。Epoは従来赤血球系造血に特典的と考えらていたが、近年巨核球血小板系造血にも作用することが明らかになり、我々も遺伝子組み替えにより産生されたEpo純化標品を用いてこのことを確認し報告した。従って本法を用いる場合にもこの点が問題になるため、純化Epoを加えてAchE活性の上昇を検討したところ、Epoに対し用量反応的にAchE総活性の上昇を認めた。そこで再不合尿抽出物からのTpo精製には、Epoを除去する必要がある。そのため抗Epo抗体カラムによるEpoの除去を試みた。まず家兎をEpoで免疫し、得られた抗血清からプロテインAやファロ-ズでIgGを分離し、型のごとくアフィジエル10に固定化し抗体カラムを作製した。既に報告した方法に従い、粗標品をエタノ-ル沈殿により分画し、70〜90%沈殿画分を高連液体クロマトグラフィ-(Synchropak RP-4)で分活した。活性はアセトニトルが63〜70%で演出される。この画分にはEpoも含まれるので、これを用いてEpo除去を試みた。抗Epoカラムにかけ、非吸着画分を回収濃縮後、吸着蛋白を溶出させた抗体カラムに再度かけて非吸着画分を得た。この過程でEpoの90%が除かれることが確認された。更に上記方法を用い、比較的大量(100l分)の粗標品から出発し、得られた各画分についてin viveの投与を分い、末血血小板数骨随巨核球の数、サイズ、ploidyの動きを検討し、in vitro invivo活性の相関を検討するためラットを用いる実験63年度より開始した。
|