研究概要 |
1)腫瘍性血小板増加性疾患である原発性血小板血症および真性多血症において巨核球幹細胞(CFU-Meg)の動態を検討した. CFU-Megはinvitroで剰〓因子を加えずとも増殖しコロニー形成を示した. これら疾患患者血漿中には巨核球コロニー剰〓因子(Meg-CSA)は増加しておらず, これらの症員においてみられる"Spontaneous CFU-Meg Grouth"はCFU-Meg自身の異常(自律的増殖ないしMeg-CSAに対する感受性異常抗進)によることが示された. (Kimuraetal.AmJ Hematol 1987,kimuraetal Acta Haematol 1988) 2)慢性骨髄性白血病の急性転化においては芽球の%がいまだ少ないうちはいづれの血球系の急転であるのか診断が難しいことが多い. 急転の過程(Accerelated phare)にある患者でinvitroで形成された各系統のコロニーの染色体分析を行い, CFU-Megコロニーから急転クローンを考えられるPhit付加的染色体異常を認めCFU-Megの染色体分析が巨核球性急性転化の早期診断に有用であることを示した(Shiga etal.Leukemia Res 1987). 急性転化クローンに属するCFU-Megも少なくともinvitroではMeg-CSAの調節を受けていた. 3)巨核球・血小板産生の調節因子(Meg-CSA,Thrombopoictin)はまだ生化学的に分離・精製されておらず, その実体については殆ど不明の点が多い. 一方最近, 種々の造血因子(IL-3, GM-CSF, G-CSF, Epo)が細胞工学的に精製物質として得られている. これらの物質がMeg CSA〜Thrombopoictinとしての作用を持つのかをマウス骨髄のコロニー増表法および液体培養法を用いて検討した. その結果IL-3, GM-CSF(マウス)はマウス巨核球造血に対して促進作用を有し, また液体培養系を用いた場合Eje刺激作用を示した. これらの造血因子のin vivoにおける巨核球〜血小板造血への作用およびこれらの造血因子とMeg-CSA, TPoとの量同などについては今後検討の予定である.
|