1)原発性血小板血症(ET)・真性多血症(PV)における巨核球・血小板増多の機序をin vitro巨核球コロニー法を用いて検討した。ETおよびPVの一部(特に巨核球の増加例)の骨髄培養においては、培養液中に刺激因子(PHA-LCM)を添加しない条件下でも旺盛な巨核球コロニー形成(spontaneous CPU-Meg)を示した。正常者および二次性血小板増多症ではSpontaneous CFU-Megは認められず、ET、PVの巨核球過剰産生は異常CFU-Megポピュレーション(Spontaneous CFU-Meg)によることが示唆された。二次性増多症では液性因子(Thrombopoietin;TPO)側の増加によるものと考えられた。今後PHA透くLCMではなく各種純化造血因子を用いた検討が必要であろう。 2)各種純化造血因子の巨核球・血小板産生への影響: GM-CSF(マラス、recombinaut)をマウス巨核球培養系(巨核球コロニー、液体培養、単一巨核球培養)へ添加し、GM-CSFが巨核球の増殖および成熟促進効果を有することを観察した。しかしGM-CSFのin vivo投与(マウス)では(2μg×6日間)、血小板増多作用はなくin vivoでTPoとして作用しているものとはいえなかった(投稿中)。 上記のマウス培養系へIL-6(BSF-2、ヒトrecombinant)を添加した場合、単独では巨核球コロニー形成作用はないがIL-3の存在下で巨核球コロニーを増加させた。また巨核球サイズの増大作用を有し、巨核球に対し"増殖"促進作用はないが成熟促進作用を有していた。単一巨核球の培養によりその作用はdirectであった(投稿中)。その作用は、最初に報告されたB-Cell differantiating factorという作用を別にすれば、巨核球系に比較的特異的であり、TPoの性格によく合致している。現在、本因子のin vivo作用(マウス)を検討しin vivoでTR作用を有するかどうか調べている。 すでに巨核球刺激作用のあることが報告されているIL-3、EPについてもin vivo作用に興味があるが、EPの6日間連日投与(マウス)で血小板数の増加はわずか(10%以内)にとどまった。EPはTPoではないと考えている。
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