1)肝細胞の培養:建常犬より採取した肝細胞を分離後、ステロイド、グルカブ2、インスリ2及びヒトEGF添加培養液にて、10×15【cm^2】のガラス板上に培養する。ガラス板両面への培養は困難なため、片面のみの培養とした。 2)人工肝モジュールの作製:細胞を培養したガラス板を0.4mm間隔で、200枚重ねて1カセットとして収納するアクリル性モジュールを作製した。モジュールのPriming Voluneは約400ml、細胞培養後の最大流量は400ml/minが可能であった。細胞培養に利用されるガラス板の総面積は3【m^2】、で培養可能な細胞重量は約60gである。 3)血液回路の作製:血液回路は採血側回路、返血側回路、血漿recicle回路、透析回路の4部よりなり、piming volumeは全体で役160mlである。 4)培養細胞の機能評価:モジュール内に組み込まれた細胞が、通常の培養dish内と同様の機能を果しうるかが問題となる。モジュールのinletとoutletとの比較から計算すると、アンモニア処理能は4mg/mm/moduleで尿素合成能は100μg/mm/moduleと算定れた、これは通常dishでの培養細胞の機能とほとんど差がない。また血漿による灌流では5日間はこれと同様の機能を維持しえた。 5)本年度の計画:上記の人工肝を肝全摘犬に応用し、蛋白合成量、アアンモニア処理能などをin-viuoで検索する、と同時に、肝全摘後の長期生存の可能性について検討する。また実際の臨床応用への可能性、方法等の検討も始める。
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