• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1987 年度 実績報告書

膜プレイト固定化培養肝細胞を用いた肝補助装置の開発

研究課題

研究課題/領域番号 61570598
研究機関北海道大学

研究代表者

圓谷 敏彦  北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (70142198)

研究分担者 柿田 章  北海道大学, 医学部, 助教授 (90109439)
キーワード人工肝臓 / 初代培養肝細胞 / 肝全摘 / ヒトEGF / 初代単層培養 / 肝機能
研究概要

成大肝臓から, コラゲナーゼ潅流法によって採取した肝実質細胞を, コラーゲン被覆したホーケー酸ガラス板上に初代培養を行った. ガラス板は, 巾10cm, 長さ20cmであり, このガラス板を200枚収納する. Lorg-Stroke型人工肝モジュールを作製した. モジュール内の肝細胞は, 栄養培地の潅流条件下培養で全て長期間の生存がみとめられた. 機能的にも, アルブミン合成能, 糖新生能, アンモニア代謝能は, 少なくとも2週間以上維持しうることが確認された. またモジュール内の肝細胞は栄養培地による培養だけではなく, イヌ血漿をもちいた潅流培養によっても, 同様の機能を長期間維持しえた.
モジュール内に培養収納された細胞は総重量約70gであり, それを肝全摘下に応用して人工肝としての機能を行った. モジュール内の肝細胞は, プラスマセパレーターによって分離された血漿と, あらかじめリザーバーに蓄えられていた血漿とによって, 毎分約459mlで潅流される.
実験群としては, 1)対照非処置群:(n=6), 2)血漿潅流群, (n=3), 3)人工肝治療群(n=3)の3群を設定し, その血清蛋白, 血液凝固因子活性, 生存時間などを比較検討した.
結果:対照非処置群の生存時間は平均21.5時間, 血漿潅流群では25時間と, 約1日で死亡するのに対し, 人工肝治療群では, 平均53時間, 最長65時間と, 著明な生存時間の延長をみた. また血清蛋白, 凝固因子も, 1, 2群は18時間では, 全摘出前の50%以下になるのに対し, 人工肝群では24時間をすぎても70%以上の値を維持しえた. また血中アンモニアは, 1, 2群とも12時間, 18時間では2000ng/dl以上に上昇したのに対し, 3群では約250ng程度の極めて低値にとどまっていた. 以上より本人工肝の有用性が確認された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 船津 昭彦: 人工臓器. 17. 170-174 (1988)

  • [文献書誌] 熊谷 文昭: 人工臓器. 17. 175-180 (1988)

URL: 

公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi