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1986 年度 実績報告書

多臓器障害時の低フィブロネクチン血症における活性酸素の病因論的意義

研究課題

研究課題/領域番号 61570599
研究機関旭川医科大学

研究代表者

葛西 真一  旭川医大, 医学部, 講師 (40091566)

研究分担者 加藤 一哉  旭川医科大学, 医学部, 助手 (70175280)
近藤 啓史  旭川歯科大学, 医学部, 助手 (60153714)
キーワード多臓器障害 / フィブロネクチン / 活性酸素 / 肝機能障害 / 肝硬変症 / 重症感染症 / 網内系機能
研究概要

近年の患者管理技術や外科治療の進歩発展に伴い、重症外傷患者や高令者などのいわゆるhigh risk例にしても、外科手術を含む積極的な治療が行なわれるようになった。これに伴い、過大侵襲や重症感染症の発症を契機とする多臓器不全(MOF)が重篤な合併症として注目されてきている。このMOFの発症における、組織損傷治癒機転の重要因子である低フィブロネクチン血症の意義を、活生酸素との関連において明らかにすることを検討した。
1.臨床例における血中フィブロネクチンの動態に関して
外科治療を目的として当科に入院してきた患者の血中フィブロネクチンを、手術前、中、後と経時的に測定した。その結果、肝硬変合併肝癌で207±26、肝機能正常消化器疾患群で407±99、血液生化学検査値に軽度の異常を認める非肝臓疾患群で313±83、μg/mlであり、肝機能障害例で最も低値を示した。経時的な観察では、順調な経過を示す例では、術後1〜3日目に最低値を示し、術後一週目で術前値に回復した。一方、術後感染症を合併した例や、過大侵襲と考えられた例では、低フィブロネクチン血症を示し、かつその回復は遷延し、MOF例でとくに著明であった。
2.動物実験による基礎的検討に関して
多臓器不全を研究する動物実験モデルとして適当な方法を検討したところ網内系機能の関与を加味するという点において、薬物性肝障害に感染症を併発させるというモデルの有用性を示唆する成績が得られ、血中フィブロネクチン値および血液生化学検査値などの基礎データーが得られた。
以上の成績をもとに、次年度は臨床における治療の試みと、基礎実験における病態解明を検討する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 葛西眞一: 蘇生. 5. (1987)

  • [文献書誌] 仁村泰治: "MOF(多臓器障害)公開ワークショップーその病態と成因ー" 文部省科研総合究(B)循環障害の微小循環に関する総合研究班, 9 (1987)

  • [文献書誌] 佐藤寿雄: "閉塞性黄疸と多臓器障害" 金原秀雄, 200 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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