研究概要 |
1) ラット肝細胞の脾内移入実験:BDE,LEW,DAratより分離した肝細胞1×10^7個を, doncrにBDEroat,recipientにLEWratを用いた心移植モデルの1日前に, recipientの脾臓に移入した. その結果, BDEratの心臓の生着日数は, donorと同系のBDErat肝細胞を移入した場合, 平均生着日数14.3±2.7日, recipientと同系のLEWrat肝細胞を移入した場合, 9.3±0.8日, thid partyのDArat肝細胞の移入では, 9.5±1.3日, cantrol群の生着日数は, 6.7±0.8日であった. この事実より, 門脈系への抗原投与において, donor Spocific antigen投与が, 有意な免疫学的抑制状態を導いていると考えられた. 2) DTH respcnse:肝細胞脾内移入実験で検索した場合, contorl群と比べてdonor specificな抗原投与後, 4日目に最も強い抑制効果が認められ, 7日目になるとその結果は減弱する傾向がみられた. 3) ラット脾細胞の門脈内移入実験:BDErat脾細胞1×10^7個又は, 1×10^8個をLEWratの門脈内に移入し, その1週間後にBDEratの心をLEWratに移植して生着日数をみた. control群の6.7±0.8日に対し, 1×10^7個投与群では, 8, 18, 20, 23日の生着が, 1×10^8個投与群では, 8, 13, 15, 30, 32日の生着が得られた. これは, 肝細胞と脾細胞の抗原系(classI,II)の差異によるものと考えられるが, さらに抗原投与の時期を比較検討しなければならない. 4) 以上の結果を踏まえて, 抗原の種類, 投与経路, 投与時期の決定を行ない, 加えて免疫抑制剤の併用効果も検討し, 免疫学的寛容を導く抑制法を開発する. そして, ラット肝移植, 大肝移植に応用する.
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